なぜ自閉症の療育は難しいのか?

自閉症レクチャーノート - なぜ自閉症の療育は難しいのか?

皆さんは、多かれ少なかれ毎日のように自閉症の子どもの支援をしていると思います。そこで皆さんの感じるのが、自閉症の療育は難しいと言うことです。

なぜ、自閉症の療育は難しいのでしょうか? なぜ、難しいと感じるのでしょうか?

それは、あなたが期待したとおりの成果が出ないからです。

もしも、療育に期待どおりの成果が出れば、小さな成果が積み重なっていき、子どもはよりよく成長していきます。そして療育が難しいとは感じなくなります

では、なぜ私たちが期待したとうりに療育の成果が出ないのでしょうか?

今回は、その部分を解説してきます。

根本的な理由は、

  • 私たちが療育していると思っていることと、
  • 私たちが実際にやっていること

がズレているからです。

コレをやれば、こんな成果が出ることは分かっています。しかし、実際にやっていることはコレではなく、アレです。アレをやりながら、こんな成果が出ることを期待しているのです。そんな成果が出るなんて、ありませんよね。ひどい場合には、勉強だけして、支援はしないで、成果が出ることを期待しています。

療育で成果を出すためには、習ったとうりにやる。

それが基本なんです。が、なかなかそうは問屋が卸しません。私たちが習った療育を、私たちがその通りに出来ないのにはいくつかの理由があります。

  • 常識的な子育てでは、上手く育たない子ども
  • 世界中の専門家の50年以上の研究成果
  • ツールが必須
  • 子どもの生活環境が大きく影響
  • 支援領域が複数あり、頼るべき人も複数

まず、私たちの持っている常識が邪魔をします。「いつもこうやってきた。」「普通に考えたら、これで大丈夫だろう。」「それは、しなくても大丈夫」などですね。まずは習ったとうりにやってみると言う姿勢がないと、初めからつまずきます。

自閉症の療育手法は、世界中の専門家の研究成果です。そもそも難しく高度です。その手法を広めるために、指導書ではレベルを落として分かりやすくして解説してあります。見かけが簡単だからと言って、ナメてはいけません。

ABAの場合、好子(ABAの専門用語)となる、おもちゃやお菓子が必須です。また練習をするのにはカードの類が必要です。スケジュールと視覚支援では、絵カード、スケジュールボード、見せるための書き物や印刷物が必要です。感覚統合では、運動器具や刺激を遮断するグッズが必要です。あり合わせの物では、ツールとして機能しません。

2人のお母さんが習ったとりに、それぞれの我が子に全く同じことをやったとしましょう。しかし、それをやっている場所は違います。療育は生活環境からの影響を大きく受けます。すなわち、それぞれの子どもは同じようには療育されていないのです。療育には、もともとブレが出やすいんです。

子どもへの支援が必要な領域、分かりやすく言うと、伸ばしてあげたいスキル、少なくしたい問題な行動は、沢山あります。一つや二つではなく、10も20もありますよね。すると私たちは、二つの違うことを混同することがよく起こります。

今回のポイントは、

療育は習った通りに、そのままやる

です。

あなたが、習った通りに出来ないなら、直ぐに指導者に相談しましょう。

あなたの指導者は、「あなたは習ったとりにやっている」と思っています。実際には、あなたは習った通りに出来ていません。当然、期待する成果は子どもには現れません。1ヶ月後あなたは指導者のところに行ってう言うでしょう「コレコレをやりましたが、成果が出ません」。すると指導者はあなたに、「それがダメならば、コッチをやってください。」と言うでしょう。やっていると思っていることと実際にやっていることが違っていると、療育そのものが迷走します。

もしも、あなたが習った通りに出来ないなら、正直に指導者に相談しましょう。

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