分かりやすい自閉症の入門書/ご家庭で読めます!

家庭向けの自閉症支援の推薦図書

我が子のために、自閉症支援の本を読みたいお母さんお父さんも多いと思います。どの本から読んでいけばいいのでしょうか?

ネットの本屋さん、Amazonで「自閉症」と検索すると、なんと5,000冊以上あるんですね。その中には、専門家が読むような難しい本から、家庭向けの入門書、そして自閉症のお子さんを育てた体験記まで、いっぱいあります。

そこで今回は、知識のないご家庭のお母さんお父さんが読むべき本を5冊ご紹介します。

推薦図書のリストを見る前に、全体像と読み方をまず説明します。

自閉症支援の全体像

自閉症の支援は、大まかに分類すると3つの分野があります。どれが優れているというわけではありません。お子さんの支援には、3つの分野全てが必要です。

  • ABA(応用行動分析)療法
  • スケジュールと視覚支援(構造化)
  • 感覚統合的アプローチ

そこで、それぞれの分野から1冊づつと、全体像が理解できる本2冊を推薦します。

ご家庭での入門書の読み方

推薦する図書も含めて、どんな本もかなりの情報量が詰まっています。例えるなら、2時間のセミナーなら10回分以上の知識が詰まっています。

イラストが多くて、言葉遣いがやさしいからと言って、油断してはいけません。そんな本は、重要な知識の宝庫です。

タイトルに「入門」が入っているからと言って、油断してはいけません。そんな本は、大学院の学生レベルであることが、よくあります。

もし、1冊の本を読んで、あなたがその内容の半分でもご家庭で実行に移すことができたら。あなたのお子さんは、ものすごく成長します。ただし、一度に読もうとすると、消化不良になります。1年で1冊のペースで構いません。長く勉強していくことが大切です。3年もすれば、おそらく、あなたのお子さんを担任してくださっている先生の知識をも超えてしまうでしょう。

ご家庭向け推薦図書5冊

自閉症支援の全体像がわかる本

自閉症スペクトラムの子どもたちをサポートする本
榊原洋一(著)
ナツメ社 (2017/6/15)
1,500円+税

最新図解 自閉症スペクトラムの子どもたちをサポートする本 (発達障害を考える心をつなぐ)
■自閉症スペクトラムの基礎知識がわかる! 自閉症スペクトラムは発達障害の一つで、従来の「自閉症」から、 「自閉症スペクトラム」へと医学的な概念が広がりました。コミュ ニケーションの困難さや強いこだわりなどから、人と上手にかかわ るのが難しい障害です。 本書は、その特徴と原因、診断の流れから支援のしかたまで、丁寧 にわか...

この本は、まず最初に読みたい入門書です。ほぼ全てのことが網羅されてます。イラストが多いのも特徴です。見開きの2ページで一つのことが解説されてますので、ゆっくり読むには最適です。

最初に、一塊りを読んだとしましょう。かなりわかった気になると思います。ただ、見かけは簡単そうですが、とても奥が深いのです。

1ヶ月2ヶ月かけて、一通り読み終わったら、時々辞書的に必要な部分を読み返すことをお勧めします。最初に読んだ時には気づかなかった、とても役に立つことを再発見するでしょう。

教育へのピラミッドアプローチ – 役に立つABA入門
アンディボンディ(著), 門眞一郎(監訳)
ピラミッド教育コンサルタント(2016/6/1)
3,700円

「教育へのピラミッドアプローチ 役に立つABA入門」
特別支援を必要とする生徒さんに対し、何をどのように教えるのかということを、行動分析学(ABA)にお知見に基づいて体系的に指導法をまとめたガイドブックです。特別支援学校の先生や通園施設の保育士、知的障害者の施設で働く職員、親御さんに役立つ専門書です。著者:アンディ・ボンディ博士 監訳:門 眞一郎 編集:ネグロン ちひろ

この本には、自閉症の子どもを支援する技法が網羅されています。タイトルにABA入門とありますが、ABAだけでなく幅広い知識が身につきます。

専門家向けではなく、支援者やお母さんお父さんを対象にした本です。殆どの章が、あなたが知らなかった内容だと思います。ただし、かなり難しい本です。

難しい本をなぜ紹介するかというと、1冊で技法が網羅されている本は、他に見当たらないからです。とても貴重な本です。

この本を最初に読むのは、やめましょうね。他の本に慣れた後に、「この本に挑戦する」感覚だと思います。

ABA(応用行動分析)療育の初心者向けの本

ABA実践マニュアル: 発達障害の子のやる気を引き出す行動療法
藤坂龍司(著), 松井絵理子(著), つみきの会(編集)
合同出版 (2015/10/15)
2,400円+税

イラストでわかる ABA実践マニュアル: 発達障害の子のやる気を引き出す行動療法
子どものやる気を引き出し、よい行動を増やすABA(応用行動分析)をイラストを用いてわかりやすく視覚化しました。 ABAの基礎から初級・中級・上級プログラムまで盛り込んだ、ABAセラピーのはじめの一冊。

あなたのお子さんが8歳以下ならば、最初に読んでかなり役に立つと思います。

そもそもABA(応用行動分析)は、いくつもの技法のまとまりで、高い知識と指導の熟練が必要なのです。他のABAの本は、かなり難しい内容です。しかし、この本は違います。

一つ一つの技法についての解説と、家庭でどんなふうにやっていけばいいかが、具体的に書かれています。あなたが、一つの技法を理解して、それをお子さんにやってあげると、お子さんのスキルが一つ上がります。

スケジュールと視覚支援(構造化)の基礎がわかる本

自閉症児のためのTEACCHハンドブック
佐々木正美(著)
学研プラス(2008/3/18)
2,200円+税

自閉症児のためのTEACCHハンドブック―改訂新版 自閉症療育ハンドブック (ヒューマンケアブックス)
TEACCHとは: 自閉症のある子どもの療育や成人の生活・就労支援に 大きな効果を上げているプログラムです。 TEACCHの原理は、 自閉症/発達障害の人は発達が遅れていたり劣っていたりするのではない という、基本的な視点から出発しています。 劣っているところを治すことに気配りをするのではなく、彼らが本来もっている 優...

この本は、自閉症の子どもへの支援の半分以上を占める「構造化」について解説された本です。実践マニュアル的ではなく、考え方が中心の本です。

構造化の分野は、役立つ支援が多くあります。そのため、小分けにした内容の書籍が多くあるのです。構造化の全体像を押さえておかないと、一つ一つの支援が中途半端になりがちです。この本は構造化の要として、お勧めします。

スケジュールと視覚支援(構造化)は、自閉症の子どものパニックや問題行動の削減に、最も効果があります。でも、なぜ効果があるかは、本を読んでも気がつかない人が多いのです。言葉が悪いかもしれませんが、騙されてつもりでやってみてください。パニックや問題行動から解放されます。

また、3つの分野の中では、幼少期から成人後まで、一番長く続けるべき支援が構造化です。

感覚統合的アプローチとして読みやすい本

自閉症スペクトラムの子どもの感覚・運動の問題への対処法
岩永竜一郎(著)
東京書籍 (2014/8/30)
1,900円+税

自閉症スペクトラムの子どもの感覚・運動の問題への対処法
本書は、自閉症スペクトラム障害(ASD)の児童に対する感覚統合理論に基づく療育や教育、それから感覚刺激を使った対人関係発達のための指導について、前著『自閉症スペクトラムの子どもへの感覚・運動アプローチ入門』の内容を更新し、新たな情報を加えた全面改訂増補版です。 刊行目的の1つは、感覚統合理論や最近の感覚処理障害に関する...

これは私の考えですが、先に登場したABA(応用行動分析)とスケジュールと視覚支援(構造化)に比べると、感覚統合的アプローチは緊急度の低い支援です。かと言って、軽視するわけにもいきませんよ。

他の分野の1冊ずつを一読したら、読み物的にこの本をお読みになるのがお勧めです。あなたのお子さんの感覚機能の問題と、運動神経の悪さについて、よく理解できるようになります。

そして、あなたの気づかなかった、お子さんへの不快な刺激のケアーができるようになります。

まとめ

  1. ご家庭で最初に読みたい自閉症支援の本を4冊+α、ご紹介しました。
  2. こんを詰めて読もうとすると挫折します。1年に1冊のペースがお勧めです。
  3. 子どもへのより良い支援は、少しづつ知識を増やして、継続して行いましょう。

持ってない本は、まず1冊買いましょう! まとめ買いは、挫折の元?!
1冊買うことが始めの一歩です。

自閉症の子どもの支援は準備が9割
古林紀哉

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