自閉症の子どもの「見通し」を立てる力と行動の関係

自閉症の子どもは、「見通しを立てて行動するのが苦手」とよく言われます。健常な子どもや私たちは、無意識のうちに自然に見通しを立てて行動しています。では、見通しを立てる力が弱いとどんなことが起こるのでしょうか?

その前に、「見通し」とは何でしょうか? それを簡単に説明しておきます。

見通しとは?

見通しとは、これからどんな物事が連なって起こるのかを指します。そして、それらの物事が、予め推測できている状態を「見通しが立っている」と言います。自閉症の子どもに見通しという言葉を使うとき、ほとんどの場合、子ども自身がこれから行う行動の連なりです。

例えば:

  • 着替える → テレビを見る
  • 運動する → 授業を受ける → 手を洗う → 給食
  • タブレットで遊ぶ

などです。

わかりやすく図表にすると、次のような感じです。

こんな見通しを健常な子どもや私たちは、無意識のうちに頭の中に描いて、その見通しと同じ行動をしています。だから、私たちは「見通しを立てて行動している」とは感じていません。それが当たり前であるかのように、無意識のうちにそうしているのです。

見通しが無い時の行動

では、見通しが頭の中に無い状態で行動するとどんなことが起こるでしょうか?

  • 今、自分のやりたい事は、直ぐに行動に移します。
  • 目の前に自分の好きな物が見えていると、それを使って何かをします(それを使って遊びます)。
  • 今、自分のやりたく無い事は、絶対にしません。
  • 目の前に自分の嫌いな物が見えていると、それを避けます。

次に、私たちが子どもに望む生活行動はどうでしょうか? 見通しが頭の中にない状態でです。例えば、「服を着替える」こと。

  • 自分から進んで服を着替えようとはしません。
  • お母さんが「服を着替えて」と言っても、服を着替えようとしません。
  • 何度も「服を着替えなさい」と言うと、反抗します。

そうなんです。自閉症の子どもは、自分にメリットないことは進んではやらないのです。いや、出来ないのです。無理矢理やらせようとすると、抵抗したり、パニックに陥ったりします。

見通しがある時の行動

一方で、頭の中に見通しがあると、話は変わってきます。

「服を着替える → テレビを見る」と言う見通しが頭の中にあると、さっさと服を着替えて、自分の好きなテレビを見ようとするんですね。子どもって素直ですね。

しかし自閉症の子どもの場合、お母さんが「服を着替えたら、テレビを見てもいいのよ」と言葉で教えてあげても、その見通しを頭の中に保持することができません。自閉症の子どもは、見通しを立てる力がそもそも弱く、見通しの保持力も弱いのです。だから、お母さんが言葉で見通しを教えてあげても、服を着替えようとしません。私たちが望むような行動が出来ないのです。

では、どうすれば良いのでしょうか?

自閉症の子どもに見通しを伝えるには

見通しを子どもに見せてあげれば良いのです。スケジュール表を使って、「着替え→テレビ」と言う見通しを自閉症の子どもに見せてあげれば良いのです。そのスケジュール表を見せられている間、その見通しが子どもの頭の中に保持されます。

自閉症の子どもには、スケジュール表を使って、終わった後の子どもの楽しみを見せて伝えてあげると良いのです。ちょっと嫌なことでも、スムースに行動に移してくれます。

スケジュール表って、自閉症の子どもに見通しを伝えるための大切な道具なんです

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