
スケジュール表の活用は、1980年代に米国ノースカロライナ大学ティーチ部 (TEACCH) で始められました。TEACCH療育プログラムは構造化と呼ばれる手法で、世界中から注目されています。その中の代表的な手立てとして、スケジュール表があります。現在では、自閉症の専門家なら誰もが勧める実績のある支援方法です。
スケジュール表を使わないと起こりやすい事
自閉症の子どもを育てていると、様々な問題と苦悩にぶち当たります。スケジュール表で子どもの支援をしていないと、次のようなことが起こりやすくなります。
- 子どもがすぐパニックになったり癇癪を起こしたりします
- お母さんが何かを指示しても、今やっていることを止めようとしません
- いつもと違う行動を、もの凄く嫌がります
- やりたい事や欲しい物を待てません
- 昼夜逆転が起こりやすくなります
- 自傷や他害が増えます
- 育児が大変で、お母さんお父さんが疲弊してしまいます
スケジュール表の効果
「子どもが見通しが持てるように、スケジュール表を使いましょう」とよく言われます。でもそれだけではピンと来ない方も多いのではないでしょうか?
ここではスケジュール表の具体的な効果を紹介します。
- パニックや癇癪が自然になくなります
- 朝のお支度がスムースになります
- いつもと違う予定をすんなりと受け入れてくれます
- 問題な行動が少なくなります
- お母さんが子どもを褒める機会が増えます
スケジュール表の効果の仕組み
自閉症の子どもは頭の中で見通しを立てることが苦手です。見通しが立たないと、子どもの行動は目の前の好き嫌いで動いたり嫌がったりになってしまいます。
- 同じ事をずっとやり続ける
- 嫌なことは、頑としてやろうとしない
しかし、それを正そうとすると子どもは激しく抵抗したり、パニックや癇癪を起こしてしまいます。
頭の中に見通しがあると、子どもの行動はスムースになります。
- 「■■して、▲▲したら、好きな○○ができる」と見通しが立っていると、子どもは■■を始めて、▲▲をさっさと済ませて、好きな○○に向かおうとするのです。
でも自閉症の子どもの場合、言葉で見通しを教えてあげても、その見通しを頭の中に保持することが苦手です。言葉での見通しでは子どもは動こうとはしません。
そこで、スケジュール表が効果を発揮します。これから起こる事や子供がやるべき事の見通しをスケジュール表で見せてあげるのです。見通しを見せることで、自閉症の子どもも頭の中に見通しを描く事ができます。そして、その見通しと同じ行動に導かれるのです。
スケジュール表を始める前の準備
書籍やセミナーでもよく見るスケジュール表は、簡単そうに見えます。でも、いざ始めようとすると、様々な苦労が現れます。始める前に息切れしてしまわないように、準備の内容を知っておきましょう。
- 最初の絵カードの準備
- 最初のスケジュールボードの準備
- 絵カードは適宜、増やす必要があります
いますぐ手に入るスケジュール表製品
以前までは手作りしか方法がありませんでした。最近では市販品も利用できます。全てが揃っているセット商品もあれば、部分的な商品もあります(一部は手作りが必要)。
- スケジュールポケット(アドプラス)
- スケジュールボードセット(ピラミッド教育コンサルタンツ)
- 巻物カレンダー(おめめどう)
- ビニールポケットカレンダー(アドプラス)
- コバリテ視覚支援スタートキットII(古林療育技術研究所)当社製品

スケジュール表の教え方

