物事の流れは左から右へ(自閉症支援の方程式)

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今日は、前回に続き
「年間行事表」を例に、
自閉症の子どもの支援で
重要な方程式を一つ解説します。

まず、問題な年間行事表です。
・10 x 40 cm の短冊に縦書きで生徒が行事を書いている。
・右側から左側へ向かって、短冊が並べてられている。
・短冊(行事)は、20個程度。
・幅は全長が8mぐらい。

その年間行事表には問題が3つあります。
(影響の大きい順に)
1)方向が右側から左側である
2)期間が年間で長すぎる
3)生徒の書いた下手な字である

今回、皆さんに覚えて欲しい方程式は
「物事の流れは左から右へ」
です。

年間行事表は、
左から右の方向へ内容を書くべきなのです。

例え、縦書きであっても。
例え、イラストだけであっても。

「物事の流れは左から右へ」
を最初に提唱したのは、
自閉症の療育で有名な
TEACCH
です。

専門用語では、
タスク・オーガナイゼーション
と呼ばれます。

横に並べる時は、左から右へ。
縦に並べる時は、上から下へ。

と決めたのです。

スケジュール表でも、
手順書でも、
ドリル教材の順番も、
軽作業での部材の置き方も、

横に並べる時は、
左から右へと
決めたのです。

そして、自閉症の子どもには、
「一番左を見なさい。」
と教えるのです。

自閉症の子どもにはこんな特性があります。

写真や表を見たときに、
自閉症の子どもがどこに注目するかは、
私たちでは予測ができません。

例えば、写真。
観光地で撮ったスナップ写真があったとしましょう。
私たちなら、最初に真ん中に写っている人に注目します。

しかし、自閉症の子どもが注目するのは、
写真のバックに写っているおみやげ屋のおもちゃかもしれません。
写っている人の服の柄に注目するかもしれません。

こういう写真では、
ココに注目するんだよ、
という共通認識に乏しいのです。

次に、表だとしましょう。
私たちなら、表の中の内容から、
どちらが先でどの方向に見ていくかを
自然に類推します。

しかし、自閉症の子どもが注目するのは、
おそらく、
一番好きな内容、または
一番嫌いな内容、
だけだと思います。

だから、表を見たときには、
「最初に左を見なさい。」
と教え続けるのです。

もしも支援者が
ある表は、左から右へ。
ある教材は、右から左へ。
ある自立課題は、左から右へ。

と不統一に作ってしまうと、
確率50%で上手くいき、
確率50%でチンプンカンプン、です。

これでは、子どものスキルは育ちません。

皆さんも、
子どもの支援の下準備では、
「物事の流れは左から右へ」
を徹底しましょう。

子どもの成長と家族のゆとりのために!
自閉症業界のヘンリーフォード
古林 紀哉

コメント

  1. 大阪の支援学校に通う中学3年の娘の母 より:

    はじめまして。

    左から右へ、の基本について娘の通う学校(支援学校)は
    教室の黒板にその日の日付が右端に表示してあり、
    その日の予定もその横に表示してあります。
    右から左だなぁ・・・と思わず気づいたんです。
    そう言えば、普通学校はどこも黒板の使い方は右から左だなぁ・・・。
    日本人は右利きだから?日本語は右から左に書くから?
    慣習的なもの?なのでしょうか?

    支援学校ならその日の日付、活動予定などは左から右へ表示すべきですよね?
    音楽など特別教室で先生がその場で予定を書き込んだりされている場合は
    左端に予定を表示されていますね。そう言えばまちまちですね。
    今頃気づきました。

    • 古林 紀哉 より:

      教室の黒板の使い方などは、習慣的な共通認識ですね。なぜ、そう使っているかは重要ではなく、みんながそう使っていることが重要です。

      子供を教える、子供に使わせるときは、共有認識(=ルール)と同じことをしましょうと。そして、ルールは少ない方が良い ^-^

      右から左にしないと意味がないものは、右から左。
      左から右が普通なものは、絶対に左から右に。
      どっちでも良いものは、極力、左から右に。

      その様にする方が、子供は伸びます。

      でも、それがわかってない人の方が多いですね >_<.

      • 大阪の支援学校に通う中学3年の娘の母 より:

        コメントへのお返事、ありがとうございます。
        なるほど、黒板の使い方は右から左がルールだから右から左であるべきなんですね。
        よくわかりました!
        黒板の表示が支援学校だけ左から右だと、途中で地域の学校から支援学校に
        通うようになった子どもさんはかえって混乱しちゃいますね、そう言えば。