自閉症の子どもの親にとって、子どもの支援はとても骨の折れる活動です。
どんな支援をしていいかわからない人も多いと思いますが、支援や療育方法を知っている人でも、やることが多すぎて、今何をするべきかが分からない人も多いと思います。
今やるべきことに集中するためには、私は3つのことが重要だと思っています。
- 子どもの障害の度合い(軽度なのか重度なのか・・・)
- 子どもの成長段階(ライフステージ)
- 親以外で昼間にどんな人たちが支援してくれるのか
障害の度合いについては別の機会にお話しするとして、今回はライフステージに注目します。
子どものライフステージをしっかり意識すると、今子どもがどのライフスタージなのかをしっかり意識すると、今やるべき支援が具体的になります。
支援内容が具体的になると、それに集中できますね。
ところが、このライフステージ、分け方がいくつもあって、よくわかりません。
そこで私は、親の立場で役に立つライフステージの区分を作ってみました。
- LS-U6 幼児期
- LS-U12 学童期
- LS-U15 思春期
- LS-U18 青年中期
- LS-U20 青年後期
- LS-O21 成人期
- LS-O31 壮年期
図にしたので、そちらも見てください。
はっきり言って、このライフステージは年齢で区分しています。
今までの専門家は、発達心理学的に、幼児期・学齢期・思春期・成人期と分ける人もいます。また、いろんなことを加味して、前から順番に、LS1, LS2, LS3, LS4, LS5, LS6, LS7と分ける人もいます。
私は自閉症児の親を18年やっていて実感しました。各ライフステージの差が最も大きいのは、親以外で昼間に誰が子どもを支援しているかです。昼間に誰が支援しているかによって、親が家庭でやることが随分と違ってくるのです。
そして私は、各ライフステージの呼び方には、一般的な名前を使うことにしました。また誤解が入り込まないように、アルファベットと数字を併記するようにしました。
例えば、
LS-U18 青年中期
は、子どもが高等学校(または支援学校高等部)の時期を指します。U18は18歳以下という意味です。ちなみに、「青年初期」がないのは、一般的な発達心理学では、青年初期=思春期だからです。青年初期はピンとこなくても、思春期はなんとなくわかりやすいですよね。
今回は各ライフステージで、重要なことを項目だけ示しますね。(具体的なことは、別の機会で・・・)
LS-U6 幼児期
- 認知発達の訓練
- 小学校の進路検討(普通学級、支援級、支援学校等)
LS-U12 学童期
- 生活スキルの向上
LS-U15 思春期
- 思春期に特有の支援
- 家庭内の安定(子どもが荒れるので)
LS-U18 青年中期
- 社会に出る準備
- 就労先の具体的な検討
LS-U20 青年後期
- 就労先や福祉施設での安定
- 障害年金の申請
LS-O21 成人期
- 子どもが親から離れて住む場所(グループホーム等)の検討
LS-O31 壮年期
- 親が亡くなった後のことに備える
この記事を書いている今、私の息子は養護学校高等部の3年生です。ライフステージは、LS-U18 青年中期ですね。
皆さんも、専門家による自閉症支援の講演会を聞く機会が何度かあったと思います。講演を聞いた直後はよくわかったつもりになりますが、数日経って、自分が我が子にする支援はほとんど変わらないの気がつくのではないでしょうか? その原因は、専門家の講演は、理論や概念が中心だからだと思います。
一方で、先輩お母さんの講演会もあったりします。とても共感できる内容が多いと思います。お母さんの実体験と子どものエピソードが中心になるので、具体的なことがよくわかります。ただ、我が子とライフステージが違うと、今すぐには聞いたことをやることが出来ません。
それでも、次のライフステージのことを聞くことは重要です。それは、次のライフステージの重要事項を知っていれば、安心して我が子の今のライフステージで必要なことに集中できるからです。
私の場合幸いにも、次のライフステージで子どもに何が起こるのか? 次のライフステージでは何が重要になるのか? を知る機会が何度もありました。
我が子は現在、LS-U18 青年中期です。
まだ、LS-U20 青年後期、LS-O21 成人期、LS-O31 壮年期を経験してません。なので、21歳以上ではライフステージの区分にもっと良い区分があるかもしれません・・・。
でもね、
子どもの現在のライフステージと、次のライフステージを意識して、今やるべきことに集中するのがいいと思います。
子どもの成長と家族のゆとりのために!
古林紀哉
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