生活時間と家庭療育

家庭療育ミニ講座

 

1日の時間を大雑把に分けると、
寝ている:8時間
家の外:8時間
家の中:8時間
になりますね。

 

寝ている時間は療育には使えません。

お子さんが家の外にいるとき、療育に介入するのは指導者等との調整が必要になります。

お子さんが家の中にいるときが、お母さんお父さんの直接意思が働く、時間です。

家の中の時間に緩急をつけて、お子さんの療育をする効率の良い戦略は次のようになると思います。
1)1日15分、お母さんがお子さんを直接、療育する。

2)家の中が、自閉症のお子さんにとって生活しやすい空間にする。

 

1の直接的な療育は、お子さんの年齢によって異なってきますが、一つ一つの認知課題や一つ一つの生活スキルをお母さんが、直接、手を取りながら教えてあげる時間です。

 

うちの家庭でもそうですが、毎日15分は、親の方に負担がかかります。うちの家庭では、土日はお勉強は休みが多いですし、平日でも家事が忙しい時は、お勉強の時間は取りません。
それでも、月に15日程度は直接的に療育しています。その積み重ねは、偉大ですよ(^-^;)。

 

2は緩い方ですね。
こちらは緩くても時間が長いので、うまく設計しておけば、お母さんやお父さんはあまり意識しないでも、自動的に療育が進むというものです。

 

そして、ここはTEACCHが得意とする領域です。
大方針は3つ。
1)部屋の中を整理整頓し、視覚的な刺激を少なくする。
2)スケジュール、カレンダー、手順書等の視覚支援ツールを置いておき、子供さんの見通しがつきやすいようにしてあげておく
3)お子さんが、何かを要求する手段を用意しておいてあげる。(例:PECS、絵カード)

 

上述のような生活空間ができているお家庭のお子さんは、
自傷やパニックが少ないということもよく知られています。
労力の必要な15分と、自動的な8時間をうまく使うと、より生活がしやすくなると思います。
お子様の成長と
ご家族のゆとりのために!

古林 紀哉

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