自閉症のお子さんの家庭療育ミニ講座
今回はABA(応用行動分析)で行う、初歩の基本的な練習についてお話しします。自閉症の幼児に行うような練習です。教室の机を挟んで、子供と先生が向かい合って座って行います。家庭でも同じスタイルで、子供とお母さんが向かい合って座って行います。
行動のABCフレーム
最初にいつも出てくる図です。
子どもに何らかの行動をさせて、その直後にご褒美が出てくると、その後その行動はだんだんと上達していきます。
ご褒美は、「できたね。」とか「やった」とかの声掛けで褒めることが一般的です。できたら、すぐ褒めてあげてください。
ABAでの初歩の基本的な練習内容
ABAでは、お子さんの行動を養います。初歩の基本的な行動は3種類あります。
- マッチング
- 模倣
- 生活スキル
マッチング
簡単な例で説明します。
- 「りんご」「バナナ」「みかん」の絵カードをそれぞれ2枚用意します。
- 子どもの前に、「りんご」「バナナ」「みかん」の絵カードを1枚ずつ、計3枚を並べます。
- 指導者は、手元の絵カード1枚を選び(りんご)、「りんご」の絵カードを子どもに見せながら、「りんごはどれ」と言います。
- 目標は、子どもが目の前に並んだ3枚の絵カードから、「りんご」の絵カードを選ぶことです。
- 子どもが、「りんご」の絵カードを選んだら、「よくできたね」と褒めてあげます。
- 指導者は、手元の絵カードをまた1枚選んで、その絵カードを子どもに見せながら、「○○はどれ」と言います。(これを繰り返します)
模倣
模倣は、子どもに指導者の真似をさせる練習です。体全体の動き、手の動き、指の動きなどがあります。ての動きの例で説明します。
- 指導者は、「真似して」と言いながら、両手を高くあげてバンザイの格好します。
- 目標は、子どもがバンザイの格好をすることです。
- 子どもがバンザイをしたら、「よくできたね」と褒めてあげます。
- 指導者は、「真似して」と言いながら、両手を水平に伸ばした格好をします。
- 子どもが両手を水平に伸ばしたら、「よくできたね」と褒めてあげます。
- (この練習を真似させる格好を色々変えながら、行います)
生活スキル
子どもが、マッチングや模倣ができるようになると、生活スキルを教えるのが楽になります。
生活スキルは色々あって、それぞれでやり方が違うので、具体例は今回は割愛します。
普通のお子さんの場合、マッチングの能力も、模倣の能力も、別段の努力をしないでも自然に身につけていきます。しかし、自閉症のお子さんは、マッチング力も模倣力も弱いので、指導者がABAのテクニックを使ってそれらの力を養ってあげます。
まとめ
マッチングが出来るようになると、模倣も教えやすくなります。そして模倣ができるようになると、生活スキルも教えやすくなるのです。
もちろん、それら以外の行動もABAで養うことは可能です。
でも、マッチング、模倣、生活スキルと順にやっていくと、指導が楽になりますよ(^-^;)
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