2022年7月20日、自閉症支援の業界に激震が起こりました。
理事長の長瀬氏が施設で行っていた行為を正しく理解できる人は、専門家でも少ないと思います。そこで、この業界の人ならば専門知識が少なくてもわかるように、優しく解説しました。
ご注意:ここでの内容は、法的な解釈や議論をするものではありません。また倫理を問うものでもありません。
報道やSNSでは、
- 長瀬氏が少年を施設に連れて行った時の行為(直接の逮捕容疑)と
- 施設内で療育目的で行われていた行為
が、同一視されています。傍目からは両者は同じように虐待行為に見えます。でも両者は似て非なる行為です。
この記事で解説するのは、後者の施設内で療育目的で行われていた行為だけです。
この記事の内容は、2020年10月1日に長瀬氏が行ったオンラインセミナーと、その時に紹介された専門書を私が読み、約半年後に私の頭の中で分析した内容です。今回の事件を機に、その内容を資料化しました。(スライド資料はPDFでダウンロードできるようにしておきます。)
行動障害を100時間で解消できたメカニズム
「行動障害を100時間で解消できる」は嘘の表現ではなく、本当だと思います。その手法の恩恵を受けたご家族も少なからずいらっしゃいます。
長瀬氏の手法を理解するには、応用行動分析の知識が必要です。その全てを理解していなくても、基本的なモデルのいくつかを知っていれば、長瀬法は理解できます。
と言うことで、まず応用行動分析の予備知識から
応用行動分析の予備知識
長瀬法の概要と分析
ここからは、長瀬氏の手法を私が分析した内容です。長瀬氏本人の説明とは多少異なると思います。また、他の人が分析したら他の解説になることもあります。
研究者のあるべき姿
ここからは、私の主張です。
長瀬氏の手法は効果が高いと思います。同時に危険性も高いと思います。
その手法を危険だと非難することは、誰でもできるでしょう。
研究者ならば・・・
効果を維持しつつ、危険性を下げ、誰でも実施可能なように改善する。
それが研究者の使命ではないでしょうか?
今後のために
- 分化強化は万能ではない
- 問題行動の解消には、代替行動分化強化(DRA)、他行動分化強化(DRO)、非両立行動分化強化(DRI)が実施されることが多い。
- しかし、行動と好子が不可分である状況では、分化強化の効果は低い
- 長瀬法と同じメカニズムが働いている、既存の支援方法がある
- TEACCH構造化の手法であるスケジュール表の活用は、直接効果ではなく付随的な効果として、問題行動を抑制する効果が知られている。
- 言語行動(Verbal Behavior)とルール支配行動の専門知識を用いると、スケジュール表の効果をモデル化できる。
スライド資料はPDFでダウンロードできるようにしておきました。
分からない部分がありましたら、コメント欄でご質問ください。
分析が間違っているとか、別の分析がある等のご意見もコメント欄にお願いします。
お知らせ (2022/8/10 追記)
このページでの内容を前段として、行動障害の解消に関するセミナー(8/28)をすることにしました。概要をご覧になり、全容を知りたい方はお申込みください。
コメント
う〜ん。
難しい事は分かりませんが、合う人もいたとは思います。いい評判を聞いたので、うちの息子も就学前の頃に一回だけ、お試しで、長瀬さんに診てもらった事がありましたが、その一回でもう結構、と思いました。
席を立たせない様に、永瀬さんが掴んだ襟元のせいで、息子の首は、赤く鬱血しました。
今でも後悔してます。泣き叫ぶ息子を直ぐにでも助けなければいけなかったと思っています。
10年以上前の事なので、今の永瀬さんの療育がどうなのかは知りませんが。
宮崎さんこんにちは、お元気ですか?
10年前の彼の活動を私は知らないし、以前のことをとやかく言う立場でもないし。
まあ、悲しい事件は知らな方が、落ち着いて過ごせるかな。
そろそろ、お盆がやってきますね。