やりがちな3つの過ち

ここでは、スケジュールを教えることを始めたばかりのお母さんがやりがちな過ち3つを説明します。

お母さんとお子さんが、入り口でつまずいてしまうと、数年経たないとお母さんは、スケジュールをもう一度やってみようとは思わないようです。2年も3年もスケジュールの開始が遅れるのは、自閉症のお子さんの成長にとって、とても勿体無いことです。

せっかく始めようとしたんだから、過ちを避けて、スケジュールの力を十分に発揮させてください。

  1. 回数が少ない時に、我が子には合っていないと勘違いする
  2. 始めのハードルが高い
  3. 絵カードやスケジュールボードのグッズが不完全

それらを順番に説明します。

1)回数が少ない時に、我が子には合っていないと勘違いする

子どもが初めて絵カードを見たとき、絵カードはおもちゃだと思って遊びます。せっかくお母さんが絵カードをスケジュールボードに貼ったのに、グチャグチャにして遊ぶこともあります。

そんな時お母さんは、そのまま絵カードで遊ばせてあげてください。叱ってはいけません。絵カードを取り上げてはいけません。絵カードを触らないようにさせてはいけません。

最初に重要なことは、お子さんが絵カードやスケジュールボードと仲良くなることです。だから、お子さんが絵カードで遊ぶというのは、とても良いスタートです。成功の第一歩をちゃんと踏んだということです。
絵カードとスケジュールボードを教え初めて1週間もすると、子どもはスケジュールボードに貼られている絵カードでは遊ばなくなります。スケジュールがお子さん自身にとって重要なもので、お支度の順番が見えているというのを体感するには1週間ぐらいは必要です。でも、ほとんどのお子さんは最初の1日2日で、貼られている絵カードでは遊ばなくなります。

もう一つ、スケジュールをステップどおりに教え初めて、手添えで子どもにやらせているけど、お母さんは「子どもが理解しているとは感じられない」と思うことがあります。

初めのうちは、見た絵カードとするお支度が子どもの頭の中では一致していません。子どもは何度も手添えでやらされていると、そのうちに絵カードを見ただけで、このお支度だというのがわかってきます。

教え始めは、とにかく1週間はお母さんが手添えして一緒にやりましょう。

2)始めのハードルが高い

初めてスケジュールを教えるお母さんでも頭の中に、絵カードとスケジュールボードのイメージがあります。最近はネットで、先輩のお母さんがやっている絵カードとスケジュールボードの写真を見る機会も増えてきました。

スケジュール表を使い慣れている子どもと同じレベルで、スケジュール表を始めるのはハードルが高すぎます。お母さんにとっては、スケジュールが簡単に見えるかもしれません。その簡単な内容のお支度も、初めての子どもにとっては、内容がてんこ盛りです。絵カードの並べ方も、初めての子どもにとっては、複雑に見えます。

内容てんこ盛りのスケジュールで始めてしまうと、子どもがスケジュールに慣れるまでに、物凄く日数がかかります。お母さんは1週間も2週間も手添えしなければ、子どもがスケジュールを使えないかもしれません。

スケジュールを始めるときは、5枚以下の少ない枚数の絵カードで始めましょう。単純な内容からスケジュールを始めると、子どもは直ぐにスケジュール表に慣れていきます。

3)絵カードやスケジュールボードのグッズが不完全

スケジュール表で用いる絵カードは何枚も何枚もあります。始めるときに、必要なものが揃っていなければ、子どもに正しく教えることができません。

例えば、「トイレ」の絵カードがないのに、トイレのお支度を教えることはできません。「朝ごはん」の絵カードがないから、かわりに「おやつ」絵カードを使おう、なんてことも出来ません。

絵カードだけではなく、外した絵カードを入れるための「終了ボックス」も必要です。

始めが肝心です。絵カードとスケジュールを教えるときは、必要なグッズを全て揃えてから初めてください。

ごくたまに、印刷されたスケジュール表を子どもに使う人がいます。印刷されたスケジュール表は、自閉症の子どもにはあまり役に立ちません。教え始めの時は、印刷されたスケジュール表は全く役に立ちません。

お母さんが楽をしたい気持ちはわかります。でも、グッズの準備をサボって楽をするのは禁物です。グッズをちゃんと準備して、子どもにスケジュールを教えると、朝のゴタゴタが少なくなります。するとお母さんは自然に楽ができます。

前後のステップ

はじめに
今ココ)やりがちな3つの過ち
ステップ1:一つのお支度を気持ち良くやらせる方法

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コメント

  1. 堤 由希子 より:

    最近使い始めました。朝の着替えなどなかなか時間がかかっていましたが、目からの情報の効果はすごいと、この子には合っていると初日から思い、始めてよかったと思っています。
    ただ、途中で、着替えの前にテレビなど、自分で都合のいいようにカードを並べかえるときがあり、困っています。
    それから、最後に嬉しいカードを持ってくると、見通しを持ってがんばるとのことで、朝の支度の最後のところに、テレビを持ってきたのですが、いってきますの時間になってもそのテレビが途中だとやめていってきますをしようとしないことがあります。そこまでは朝怒らずにすめたのに、いってきますの前にもうテレビはおしまいの時間だよと何度も怒らないといけず、どうしたものか悩んでいます。

    • 古林 紀哉 より:

      堤さんへ
      順調に使っていますね。いい感じですよ。
      そしてお母さんに、ステップアップが必要な時期でもあります。
      子どもが絵カードを並べ替えてもいい場合と、守らせなければならない場合があります。そのさじ加減がいるのです。

      最後のカードが強すぎると、子どもが離れなくなるので、なんとかしなければなりません。テレビではない弱い好みに変える。最後のテレビの時間を十分に取って、子どもが飽きるのを期待する。など、など。でも簡単じゃないですよね。

      通常は、強制ルールにしてしまいます。TVの番組内容ので、これが終わったら、TVはおしまい。行ってきますの時間。と決めます。お母さんは、「テレビはおしまいの時間だよ。」と言います。怒ったりしないでください。お母さんはテレビを消して、お子さんの身体を持って出発の行動をさせてください。お母さんは口でいうんじゃなくて、身体でやらせるんです。そしてお母さんのセリフは「よくできたね!」です。 日に日に、子どもの抵抗は少なくなります。

      強制ルールを沢山作ると、お子さんはスケジュール表が嫌いになってしまいますので、ご注意ください。

  2. 佐藤 美智子 より:

    いつも、コメントをありがとうございます。勇気づけられています。カードを使って一年以上が経ちました。慣れのせいか賢くなったせいなのか、したくないカードを勝手に外してしまいます。毎日の通所のところもです。朝の支度で言えば歯磨きと薬。間に好きなことを挟むと今までと違うカードに違和感があるのかそのカードを外してしまいます。通所の方は行きたくない時に外すようです。何かいい方法があれば教えて下さい。ちなみにウチの子は19才(女)です。宜しくお願いします。

    • 古林 紀哉 より:

      佐藤様へ
      「慣れのせいか賢くなったせいなのか、」はい。身についている証拠です。
      スケジュール表で見える順番にやる -> スケジュール表にないものはやらなくていい -> 自分で計画してスケジュール表の絵カードを外してしまう。
      ここから先は「交渉」というスキルが必要です。
      お子さんも、お母さんも「交渉」というスキルを身に着ける時期です。
      一度には身につきません。少しづつです。
      具体的なスケジュールの内容で、トレーニングしていくことになります。
      だからアドバイスには、今使っているスケジュールの内容を先に見なければなりません。

      ここから先は、個別で ^-^