ステップ2b:お母さんが言わなくても、次にするお支度をわからせる方法(失敗回避編)

ステップ2:お母さんがわなくても、次にするお支度をわからせる方法(失敗回避編):スケジュールは一番上を見るの失敗を知る

ポイント:スケジュールは一番上を見るの失敗を知る

「スケジュールは一番上を見る」のルールを、お母さん自らが壊さないようにしましょう。

一見単純に見えますが、一番失敗が多いポイントでもあります。甘く見ないで、一つ一つマスターしてください。

一番失敗が多いポイントと言ったのは、それが難しいからではありません。失敗する理由は、一般常識が邪魔をして、お母さんや支援者は「スケジュールは一番上を見る」というポイントが重要だと思っていないからです。そのために、子どもに「スケジュールの一番上を見なさい」と教えません。子どもに教えるだけではなく、お母さんや支援者は、子どもが「スケジュールの一番上を見る」と、うまく行くように絵カードを並べてあげる必要があります。ところが、そんな絵カードの並べ方をちゃんとできるお母さんや支援者が少ないのです。

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このポイントを外してしまうと、スケジュールの支援効果が出ません。自閉症の入門書や指導書またはセミナーで勉強したようには、子どもがスケジュールをうまく使えないのです。するとお母さんは、「我が子にはスケジュールが合っていない」と誤解してしまいます。そして、スケジュールでの支援を諦めてしまいます。このポイントを外したスケジュールを使っていると(実際にはうまく使えませんが)、正しいやり方のスケジュールを子どもが使った時の効果が悪くなってしまうのです。もしも、最近は家庭でのスケジュールが上手くいかないと感じたら、日中に他の支援者がポイントを外したスケジュールをあなたのお子さんに使わせていると疑ってください。

「スケジュールは一番上を見る」というポイントを外したスケジュールは、スケジュールボード上の絵カードの貼り方に表れます。もしも間違いのパターンを知って入れば、このポイントを外しているスケジュールボードは一目瞭然でわかります。だから、間違いパターンは簡単に避けることができます。

このポイントを押さえていれば、子どもはスケジュールの順番通りに行動します。難しくはないので、ぜひポイントを押さえてください。

ポイントを説明します

上から順番に一列に並んでいる絵カードがあったとしましょう。自閉症の子どもに真ん中あたりに貼ってある絵カードの行動をさせようとしても上手く行きません。お母さんが、言葉で具体的に「○○しようね」と言っても上手く行きません。お母さんが、子どもの手を取って真ん中あたりの絵カードを指差せて、「○○しようね」と言っても上手く行きません。周りに(上下に)他の絵カードが目に入ると、自閉症の子どもはその絵カードの行動をすることが理解できません。

自閉症の子どもには、例えば一番上の絵カードの行動はさっきやったから、今度は2番目の行動だ、という具合には行きません。同時に目に入っている絵カードだけの情報から、どこに着目すべきかが定まっている必要があるのです。それが「スケジュールは一番上を見る」という約束です。

「スケジュールは一番上を見る」という約束は、子どもだけでは守ることができません。子どもが「スケジュールの一番上を見る」だけで、いつもちゃんとした順番になっているように、お母さんが絵カードを並べてあげることが重要です。

それでは、失敗例を見て見ましょう。
1) 上から下への一直線になっていない:基本中の基本です。まさか、下から上の順番になっていることはないと思いますが。

2) 二つのお支度を一度に連続させている:一度の「見せる・やらせる・外させる」で二つのお支度を進めることは自閉症の子どもには困難です。

3) 上から下と左から右が混在している:お母さんがやらせたいお支度が増えてくると、スケジュールボードの上から下一列では絵カードが収まらなくなってきます。するとお母さんは、一部で横方向にも絵カードを貼ってしまいます。スケジュールの教え始めは縦横の混在は避けてください。


4) 他のスケジュールが間近に貼ってある:朝のお支度のスケジュールの直ぐ隣に午後のスケジュールがあると、子どもは朝のお支度に集中できません。

5) 絵カードの横に順番を示す数字や時計カードが貼ってある:余計な情報は混乱の元です。スケジュールの教え始めは、お支度の絵カードだけにしてください。

ここまでは、絵カードの配置の失敗例でした。次は絵カードの構造の失敗例を説明します。

構造問題1)絵カードの使いやすさ
子どもにとって、もし絵カードが外しにくかったら、だんだんと絵カードを外さなくなります。終わった行動の絵カードを残してしまうと、「スケジュールは一番上を見る」という約束が守れません。ここで、自閉症の子どもの特性として、手先が不器用だというのがあります。本当に不器用なんです。だから絵カードの作りは、子どもにとってかなり扱いやすいものを準備してください。

構造問題2)終了ボックス
初めてスケジュールを使うお母さんは、よく終了ボックスを忘れます。支援者でも終了ボックスを準備しない人が多いのです。せっかくステップ1で、「見せる・やらせる・外させる」をマスターしたのに、外した絵カードを入れる(または置く)場所がなくなります。終了ボックスがないと、だんだんと絵カードを外さなくなります。終わった行動の絵カードを残してしまうと、「スケジュールは一番上を見る」という約束が守れません。

では、” お母さんが言わなくても、次にするお支度をわからせる方法(失敗回避編)”を順に説明します。

1)朝のお支度の絵カードを上から順番にスケジュールボードに貼る。
2)次のチェックリストに従ってお母さんがチェックする。

・上から下に一直線
・連続お支度がない
・縦横の混在がない
・他のスケジュールが付近にない
・数字や時計の絵カードがない
・終了ボックスがある
・絵カードが使いやすい

3)お子さんがスケジュールに慣れてきたら、チェックリストの基準は緩めても良い。(ただし絵カードを使いにくいものにしてはいけません)

さあ、やって見ましょう。

まず、いつもの朝の支度の順番に絵カードを貼ってください。

貼り終わったら、貼り方が不適切でないかを先ほどのチェックリストで確認してください。不適切な箇所があったら、今貼っている絵カードの配置を直してください。

直せましたか? できたら、今貼ってある絵カードを全て外して終了ボックスに入れてください。そして今晩、お子さんが寝た後に、お母さんが絵カードをセットしてください。こでで明日朝の準備が整いました。

まとめ

「スケジュールは一番上を見る」は、子どもに教えるべき最も重要なルールです。お母さん自らがこのルールを壊さないように、注意しましょう。

前後のステップ

ステップ2a:お母さんが言わなくても、次にするお支度をわからせる方法(成功編)
ステップ2b(今ココ):お母さんが言わなくても、次にするお支度をわからせる方法(失敗回避編)
ステップ3:子どもが始めない時に、そのお支度を進める方法

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