【パニック解消】ステップ3)順番の概念を養う

自閉症の子どもの最大の弱点

自閉症の子どもの苦手なことは色々ありますよね。しかも多くの自閉症の子どもで苦手なことは共通しています。自閉症入門書でよく説明されていることは、「自閉症の子どもは、頭の中で優先順位を考えて行動することが苦手です。」 私は、そのことが自閉症の子どもにとって最大の弱点だと思っています。とにかく、2つ以上の物事を同時に考えるのは苦手だし、物事の順番となると拘りが強いと言われ、柔軟性が殆どありません。

見通し力を養うには、順番の概念が必須です。

自閉症の子どもは、<言葉で言われた順番>で何かをするのがとにかく苦手です。<言われた順番>どうりに動かないので、トラブルが起きるんですね>_<。その代わり、自閉症の子どもは<見える順番>を正しく理解する能力があります。初めから理解できるのではなく、見て理解する能力は確実に養うことができるんです。

順番を扱うのに絵カードは必須

幼児期から自閉症支援の機会が増えてますよね。絵カードが子どもの為になると知っているお母さんも増えてきました。しかし、絵カードは皆さんが思っているよりも、次元が違うぐらい重要なのです。絵カードがないと、子どもに<順番を見せる>ことができません。

ステップ3「順番の概念を養う」は、お母さんにとって最大の難所です。それは絵カードを準備しないといけないから。絵カードの準備が整っていると、子どもにとってはこのステップの段差は小さいので、たやすくステップを登ることができます。逆に絵カードを使わないとしたら、子どもにとって最大の難所になってしまいます。もう遭難に近いです >_<

「我が子は、言えばわかる」は遭難信号でよ。その言葉は封印してください。

順番の概念は既に持っている

実は自閉症の子どもも3歳ぐらいになると、順番の概念が生まれているのです。子どもも3歳ぐらいになると、朝起きたらお母さんと一緒にトイレに行って、朝ごはんを食べて、着替えて・・・というお支度をしますよね。(子どもにとっては、やらされているのですがね。)各家庭でお支度の順番は違うかもしれませんね。でも、子どもにとっては毎朝同じ順番でお支度をやってます。スムースか駄々をこねながらかは別として ^-^; 子どもには、身体の中にその順番が刷り込まれているのです。

だから、ステップ3でやることは、子どもの身体の中に刷り込まれている順番が、子ども自身の目で<見えること>と体感させることなのです。他の言葉で言うと、「朝のお支度にスケジュール表を使う」なのですが、ものすごく奥が深いですよ。

朝のお支度で順番が見えることを教える

ここでは、重要なポイントが多く出てきます。当たり前のポイントと言うべきかもしれません。当たり前に感じてしまうので、先入観を捨てて読み進んでください。

朝のお支度でスケジュール表を使うことの意味を一つずつ解説していきます。

ポイント1)朝のお支度で練習をする

午後の予定で練習を始めてはいけません。必ず朝のお支度から練習を始めてください。先ほども言いましたが、子どもの身体に染み付いたお支度の順番が重要なのです。

ポイント2)お支度の順番を絵カードで上から下に一列に並べる

例えば
・起きる
・トイレ
・顔を洗う
・朝ごはん
・歯磨き
・着替え

私たちは、上から下へ字や物が並んでいるのを見ると、それを順番だと無意識に理解します。子どもはまだ順番の見え方を知りません。この見え方が順番であると、ゆっくり体感させていきます。

ポイント3)終わった行動(お支度)の絵カードは外す

順番は規則正しく進んでいくことを体験して、初めて順番がわかっていきます。なので、起きたら「起きる」の絵カードを外しましょう。次にトイレに行ったら「トイレ」の絵カードを外しましょう。顔を洗ったら「顔を洗う」の絵カードを外しましょう。

こうやって、絵カードが一つづつ無くなっていくことを経験させましょう。絵カードを外さないスケジュール表では、順番が進むことが見えません。

ポイント4)「一番上の絵カードを見なさい」と教える

単純かつ強力なルールです。これを守ると、ちゃんとお支度の内容がわかります。見ただけで、今度のお支度が何かわかるようにしましょう。お支度がどこまで終わったかを子どもの頭の中の記憶に頼ってはいけません。

ポイント5)絵カードを外すのは自分でやらせる

お母さんが絵カードを外すよりも、自分で絵カードを外させる方が、早く理解していきます。自分で絵カードを外すことに慣れると、子どもは必ず忘れずに絵カードを外します。最初は子ども一人ではできないので、お母さんが子どもの手をとってやらせましょう。2~3日でお母さんが手添えをしなくても、子どもの力だけで出来る様になります。

お母さんが絵カードを外す係になると、お母さんは2~3日で外す事を忘れてしまいますよ。絵カードを外すって、あなたにとってはエネルギーのいる作業です。でも子どもに教えれば子どもはきっちり外します。

もし絵カードを外さないと、もう一回その行動をさせることになりますよ。だって、一番上を見なさいと教えてますからね。

ポイント6)子どもが絵カードを外したら、笑顔で褒めてあげる

笑顔で褒めてあげると、子どもは覚えが早いです。逆に、褒めてあげないといつまでたっても一人ではできませんよ。褒めてあげる事で、一つのお支度が終わったら、絵カードを外すことが子どもの身につきます。

ポイント7)絵カードは外しやすい構造である事

本当は7番目のポイントではなく、これは準備でのポイントです。自閉症の子供って、手先が不器用です。私たちが、ちょっとこの絵カードは外しにくいなと感じたら、子どもにとっては相当外しにく絵カードです。そうなると、子どもは絵カードを外さなくなってしまいます。絵カードを外していかないと、今度の支度が何か狂ってしまいます。

良い例は、マジックテープ式の絵カードです。マジックテープ式の絵カードは、ボードと絵カードの間に5mm程度の隙間ができるので、子どもの手でも簡単に外せます。

悪い例は、マグネットシート式の絵カードです。マグネットがぴったりくっついて子どもでは上手く剥がすことができません。悪い例の典型例は、”お支度ボード”の絵カードですよ >_<。

ポイント8)終了ボックスが必要

これも8番目のポイントではなく、準備でのポイントです。外した絵カードを入れる箱を、スケジュール表の一番下に儲けてください。この箱がなかったら、あなたは外した絵カードをどうしますか? 絵カードを持っていく場所がないと、やっぱり子どもは絵カードを外さなくなります。絵カードを外していかないと、今度の支度が何か狂ってしまいます。

ポイントが8つも出てきましたね。スケジュール表を使うって実はこんなにポイントがあるんです。一つでもポイントを外すと役に立ちません。絵カードの基本として、「終わった行動の絵カードは自分でボードから外させる」これだけ注意して覚えていれば、8つのポイントは守られると思います。

スケジュール表は見通しのレール

こうやって、上から下に並んでいるものが順番だと体感していきます。しかも、見ている順番が自分の行動する順番であるとわかっていくのです。パニックが多い子どもでも、喋れない子どもでも、重度の自閉症の子どもでも、ちゃんと出来るようになります。

ステップ3で「順番は見える」という事を教えたので、あなたは子どもに「見通しのレール」を敷くことができました。一旦レールができると、道のりは順調になりますよ。

ステップ3のまとめ

  • 順番を扱うのに絵カードは必須
  • 終わった行動の絵カードは自分でボードから外させる
  • スケジュール表は見通しのレール

<<< 戻る [自閉症のパニックを解消する7つのステップ]

タイトルとURLをコピーしました