この資料は、「スケジュール表を日常的に使っている自閉症の子どもは、行動障害にならない」ということを理論的にまとめたものです。(但し、多くの仮説が含まれます)
内容的には、少し難しいと思います。初心者向けではなく、専門家向けだと思います。TEACCH構造化と応用行動分析(ABA)の範囲を含み、それらを超えた領域も含まれます。でも、できるだけわかりやすく図解したつもりです。
これまで、TEACCH構造化の代表的な支援方法であるスケジュール表は、効果の高い支援方法であることが広く知られていました。しかし、行動障害の抑制については、スケジュール表にその効果があると認識していた専門家がいたものの、その理由を説明できる専門家はほとんどいませんでした。
本資料の1から8は理解と説明に必要なブロックです。9が全てのブロックを積み上げた結果です。
どう説明しようとも所詮は仮説です。効果があるという結果には変わりありません。
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なぜこれまで、「スケジュール表を日常的に使っている自閉症の子どもは、行動障害にならない」ということが説明できなかったのでしょうか?
その効果を説明・理解するためには3つの事実を認めなければなりません。
- 暴露反応妨害による消去効果 [通常の行動分析学では論じられていない]
- 健常児と自閉症児には見通し力に差がある [ABAではその差は埋まらない]
- 人間の多くの行動はルール支配行動である [その定義には言語行動(VB)が必要]
これまで解明に至らなかった理由を私は次のように考えています:
- TEACCH構造化の専門家は、行動分析学の専門家ではない。
- 行動分析学の専門家は、より高度な理論である言語行動(VB)を経由したルール支配行動に踏み込むことができなかった。
私自身、今回の説明は難解だと感じます。今後、わかりやすい説明がなされることを期待します。どんな説明であれ、効果があるという結果には変わりありません。
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