朝のお支度が全然捗らない。お母さんがイライラしてしまう。そんな状況から脱却するために、お支度ボードを始める人が多いです。
ところが、「せっかく準備したのに、お支度ボードが3日も続かなかった。」という声を時々見聞きします。お子さんが、発達障害や自閉症の場合、多くのご家庭で同じように三日も続かないようです。
お支度ボードが続かない時は、3つの原因があります。
もしも、あなたのご家庭でお支度ボードをやめてしまった経験があったら、このページで解説する3つの原因をチェックしてみてください。
(参考記事:お支度ボードを自閉症の子供に使ってはいけない3つの理由)
(参考記事:お支度ボードが自閉症の子どもには役に立たない理由)
お支度ボードの概略
まず簡単にお支度ボードをおさらいしましょう。
構成は、A4サイズの小型ホワイトボードと、マグネットシートでできた両面の絵カードが十数枚です。絵カードの表面には一つのお支度が文字やイラストで描かれていて、裏面は「よくできました。」が描かれています。
使うときは、子どもがまずお支度ボードを見ます。絵カードの中から一つ選び、そのお支度をやります。そのお支度が終わったら、その絵カードを裏返します。すると、「よくできました。」が現れます。
子どもは楽しみながら、朝のお支度をやっていくという、便利グッズです。
以前はご家庭でお母さんが手作りしていました。最近では、市販のお支度ボードが安価で販売されています。
お支度ボードが続かない3つの原因
「せっかく準備したのに、お支度ボードが3日も続かなかった。」というご家庭も多いようです。
お支度ボードが続かない、主な原因は3つあります。
- お支度ボードを見たがらない
- お支度ボードを見ても、やることがわからない
- 絵カードを裏返せない
これらの原因は一つでも当てはまると、お支度ボードは上手く使えません。ところが、3つの原因の全てが起こっていることが多いのです。
それでは、原因を一つ一つ解説していきます。
原因1)お支度ボードを見たがらない
子どもは正直で単純です。子供騙しは通用しません。
お支度ボードには、子どもが見たい要素が無いんですね。
もともと、子どもの朝のお支度が進まなかったということは、子どもは一つ一つのお支度は気が進まなかった事なのです。「お母さんにとって、子どものお支度が一つ済むと、良い事だ」は、子どもには通用しません。そのお支度を一枚一枚の絵カードにして見せても、気が進まないことに変わりはないのです。
原因2)お支度ボードを見ても、やることがわからない
お支度ボードには、まだ終わっていなお支度の絵カードが見えています。では、これからどのお支度を始めればいいのでしょうか?
お母さんは、「どれでも良いから、まだ終わっていないお支度をして欲しい」と思うでしょう。
子どもは、「今度は、これ!」と明確に示されないと、戸惑います。戸惑うと行動(一つのお支度を始める)には繋がりません。
発達障害や自閉症の子どもの場合、ボードから今度はコレがわからないと、もうアウトです。
原因3)絵カードを裏返せない
お支度ボードでよく使われる絵カードは、マグネットシートで出来ています。
この絵カードを裏返すのが難しいのです。
マグネットシートは、ボードにべたっとくっついています。だから、大人でも剥がず時にちょっと苦労します。発達障害や自閉症の子どもは、手先が不器用なんです。だから、絵カードを裏返せないのです。
裏返せないと、楽しいはずの「よくできました」は現れません。それだけでなく、絵カードをそのままにしておくと、ボードを見た時に終わったお支度と残っているお支度の区別がつかないのです。
こんな原因が一つでも発生すると、子どもが続けようというモチベーションは全くなくなるんですね。お母さんが側で声かけしても、子どものモチベーションにはなりません。そして、3日も続かないのです。
発達障害・自閉症の子どもが使えるボードと絵カードのポイント
健常なお子さんなら、お支度ボードが続くでしょう。しかし発達障害や自閉症のお子さんの場合、3つの原因を全て取り除く必要があります。言い換えると、原因を取り除けば、子どももうまく使えて続きます。朝のお支度は、見違えるほどスムースになります。
これから改善のポイントを解説します。
改善するときは、原因123とは逆の順番で考えますよ。
ポイント1)絵カードが取りやすい
マグネットシートは、子どもには剥がしにくいです。だから、他のタイプの絵カードにしてください。
1つのタイプは、マジックテープ式の絵カードです。この絵カードはボードと絵カードの間に5mm程度の隙間が生まれます。この隙間があるので、子どもでも簡単に剥がせます。この場合は、ボード側にもマジックテープを貼っておく必要があります。ただし、このタイプの絵カードを作るには、ラミネーターが必要で、かなり手間がかかります。自閉症の子どもが使う絵カードは、以前からこのタイプでした。
もう一つのタイプは、自閉症向けに専用設計された絵カードです。磁石式にもかかわらず、手先が不器用な子どもでも簡単に使えます。
どちらのタイプの絵カードも、裏返すことはしません。そのお支度が終わったら、絵カードを外して、ボード下に取り付けてある小さな箱(「おしまい箱」とか「終了ボックス」と呼ばれます)に入れる使い方をします。こうやって、終わったお支度の絵カードがボードに見えないようにして使います。
ポイント2)今やることがピンポイントでわかる
お支度の絵カードは、やる順番に上から下の方向で、一直線に並べてください。
子どもには、「一番上の絵カードを見なさい。一番上の絵カードのお支度をしなさい。」と教えましょう。そして、そのお支度が終わったら、「絵カードを外して、終了ボックスに入れなさい。」と教えましょう。
すると、今度やるべきお支度は、いつでも必ず一番上に見えています。子どもが、何をしていいか戸惑うことは、もうありません。
ポイント3)自分の楽しみが見えている
子どもが朝、楽しんでやっている活動の絵カードを作ってください。例えば、「テレビ」、「タブレット」が多いのではないでしょうか? これは、各ご家庭で違います。必ずお子さんに合わせてくだい。
その楽しみになる絵カードを、ボードの一番下(または、最後から二番目)に貼ってください。
本当は、お支度の流れの所々に、子どもの楽しみの活動を入れてあげたいのですが・・・。朝は時間的な余裕がないので、楽しみの絵カードは1枚だけです。
「お支度が終わったら、○○ができるよ。」と見せてあげてください。言葉で言っても効果はありません。お楽しみが見えるボードには、子どもが引き寄せられます。子どもは早くお楽しみの活動をしたくなり、他のお支度が順調に進むと思います。
直ぐに使える発達障害・自閉症の子ども向けの製品
従来まで、ポイント1の「絵カードが取りやすい」を満たす絵カードは手作りするしか方法がありませんでした。ボードや絵カード素材の市販品は購入できても、絵カードだけは手作りせざるを得ませんでした。
「コバリテ視覚支援スタートキット」は自閉症の子ども向けに専用設計された製品です。子どもが使いやすい絵カード、そしてお母さんが増やしやすい絵カードが特徴です。オールインワン製品なので、購入後に直ぐに使えます。朝のお支度だけでなく、週間カレンダーとしても使える製品です。
発達障害や自閉症の子どもを育てているご家庭のお母さんは、ぜひ一度「コバリテ視覚支援スタートキット」をご検討ください。お母さんの時間の節約と、子どもの成長を第一に考えた製品です。
まとめ
お支度ボードが続かない3つの原因と、それぞれの改善ポイントを解説しました。
- 子どもでも取りやすい、絵カードを使う
- 今やることがわかるように、縦一直に絵カードを並べる(そして、終わった絵カードは外して見えなくする)
- 子どもがボードを見たくなるように、最後にお楽しみの活動の絵カードを貼る
改善ポイント1は、作り方や構造に関係するものでした。改善ポイント2と3は使い方の知識に関係するものでした。
あなたも3つのポイントを改善して、イライラ続きの朝を、爽やかな笑顔の朝に変えてください。
コメント