スケジュール表で自閉症のパニック・癇癪が無くなっていく過程を解説!

ステップ1、2、3でゴール。

信じるか信じないかに関わらず、スケジュール表を使うとパニックは無くなります。でも、自閉症の子どものパニックに困っているのに、スケジュール表を使わない親や支援者が多いのも事実です。かつて私も信じていない親の一人でした。パニックが無くなっていく過程を知ると、スケジュール表を始めようとする方も増えることを願って、この記事を書いています。

他の方法で、パニックをなくそうとしても上手くはいきません。まだ、お読みで無い方は、こちらの記事から先に読んでください。

自閉症のパニックと癇癪を無くす方法に近道はない!
自閉症の子どもを育てているお母さんお父さんや、自閉症児者を支援している人にとって、最大の関心事は、「パニックや癇癪」を無くすことだと思います。 パニックや癇癪を無くすことはご家庭でも可能です。ただ、「これをすればパニックや癇癪...

 

自閉症専門家からのアドバイス

あなたも一度は聞いたことがあると思います。

お子さんが見通しが立てられるように、ご家庭でスケジュール表を使ってください。

自閉症療育の専門家、児童精神科医、自閉症療育の先生、皆さん同じことを言います。「見通しが立つように」はとても重要なポイントです。

ちょっと難しい言い回しになりますが、DSM-5的にパニックを言い表すと、

子どもは、周りの人(お母さんや支援者)から求めらることに、応える能力の限界を超えた時、拒否反応としてパニックを起こします。

要するに、子どもの能力の限界を超えないような支援をしてあげれば良いわけです。

子どもが周りの人から求められている事とは?

子どもだけに関わらず、私たちには、やりたい事やりたく無い事があります。やりたくなくても、やっているとかやらされてる事は沢山ありますよね。例えば、子どもなら、着替え、お片づけ、登園・登校?がそうですね。気が進まないけど、やらされているわけです。大人なら、仕事とか家事でしょうか ^-^; まあ、どんなことも習慣になると苦なくできるものです。

周りの人の立場に立つと、子どもにさせたい事や、して欲しくない事があります。ここで厄介なことが起こります。本人がやりたい行動は、大体が周りの人はして欲しくない行動です。そして、周りの人がさせたい行動は、大体が本人はやりたく無い行動なのです。

子どもの行動を子どもの立場と親の立場で分類した表。

重要なのは、そのやりたい行動やりたく無い行動の、どちらを先にするかなのです。本人はやりたい事を先にしたいですよね。周りの人は、本人がやりたく無いことを先にさせたいですよね。

あとさきの順番を考え出すとややこしので、普通は、やることの時間を決めます。例えば、家庭内なら朝ごはんは7時から、学校ならば給食は12時から、職場ならば昼休みは12時から、などです。

仮にお父さんは6時から、お母さんは6時半から子どもは7時から朝食となると、お母さんの家事が大変ですね。だから、家庭内ではやることの時間をみんなで合わせます。朝ごはんは7時から。時間を合わせると、物事がうまく進みます。

周りの人から求められていること、いわゆる社会的要求のほとんどは、周りの人と時間を合わせることなのです。

家庭内に戻ると、各自がやる事(やりたい事もやらなければならない事も含めて)の正確な時刻よりも、やる事を順番通りにやっていくことが、家族全員に求められます。

子どもがやる事の順番を破るとパニックや癇癪の元になります

朝もしも、子どもが着替えが終わっていないのに、タブレットでYouTubeを見続けていたら、どんなことが起こるでしょうか? お母さんは、「早く、着替えなさい!」と言いますよね。それでも子どもは着替えなんかしたくありません。お母さんは、イライラして、何度もなんども子どもに言い続け、怒り出します。・・・すると、子どもは癇癪へと >_<

パニックや癇癪が無くなっていく過程とは?

ゴール
子どもが周りの人から求められることに対して、その求めに応える力をつけること。

子どもが応える力の限界を超えなければ、パニッや癇癪は起こりません。

周りの人が求めることの殆どは次の2つです。

  • 子どもが好きなことを、周りの人が決めた時刻まで待つこと
  • 子どもが嫌いなことを、周りの人が決めた時刻にさっさとやること

一朝一夕にはいきませんが、スケジュール表を使って、その2つの力を段階的に養っていくことができます。重度の自閉症の子でも、そんな力を養うことができます。

  1. 順番を理解する力をつける
  2. 好きな事を待つ力をつける
  3. 嫌いな事でもやる力をつける

途中を省略するとうまくいきませんよ。

1) 順番を理解する力をつける方法

自閉症の子どもは、頭の中で順番を理解することがとても苦手です。そのことは肝に銘じておいてください。

頭の中で順番を考えたり、言葉で言われた順番を理解することは苦手ですが、見せられた順番はとてもよく理解できるようになります。それがスケジュール表の役割ですね。

自閉症の子どもは視覚的学習者。聴覚情報vs視覚情報。

ただ、スケジュール表を見てすぐに順番が理解できるわけではありません。お母さん(または指導者)と一緒に、スケジュール表の順番通りに一つずつ生活行動を続けていくと、1週間も経たないうちに、上から下に並んで見えるものは順番だ! という事を子どもは体感していきます。

朝のお支度のスケジュールは、いつも順番が同じなので(各家庭で順番は違うと思います)、スケジュール表を使い始めに適しています。

自閉症の子ども用スケジュール表。する事が見える。

午後のスケジュールは、日によって内容が違いますよね。それでも、上から下に並んで見える通りに生活行動を進めていると、今上から下に並んで見えるものが順番だ!と子どもは体感していきます。

2) 好きな事を待つ力をつける

自閉症の子どもは、見えている順番をキッチリ守る特長を持っています。裏を返すと、見えている順番とは違う事を自分の意思でやることはありません。そんな優柔不断な能力を自閉症の子どもは持っていないのです。

見えている順番をキッチリ守る特長を活用していきます!

ポイントは、

  • 欲しいものが貰える(やりたい事ができる)と見せて知らせる
  • その前にする事があると見せて知らせる

この2つを同時に、スケジュール表で見せてあげることなのです。

子どもがオヤツを欲しがった時を例にします。今までは欲しがったら直ぐにあげないと子どもが癇癪を起こしていたかもしれないですね。

子どもは、スケジュール表でオヤツの絵カードが見えていると、安心して待つ事ができます。オヤツの前には、「おもちゃ遊び」や「テレビ」など子どもの苦にならない行動の絵カードを貼ってください。

子どもは順番が見える事を理解しているので、「おもちゃ遊び」(または「テレビ」)が終わらないと次の「オヤツ」に進めないと、わかってくれます。

このようにスケジュール表を使うと、順番を見る事で好きな事を待つ力がだんだんと養われてきます。

好きな行動の前にやる事。嫌いな行動の後にご褒美。

3) 嫌いな事でもやる力をつける

ここでも、見えている順番をキッチリ守る特長を活用していきます!

ポイントは、

  • 今、やらないといけない事があると見せて知らせる
  • それが終わったら、ご褒美が貰えると見せて知らせる

この2つを同時に、スケジュール表で見せてあげることなのです。

子どもが着替えをする時を例にします。今までは、無理に着替えさせて癇癪を起こされるのが嫌なので、子どもが動き出すまでお母さんが辛抱強く待っていたかもしれませんね。

子どもは、スケジュール表で一番上に「着替え」の絵カードが見えていると、やらなきゃいけないと薄々?わかっています。「着替え」の後には、「YouTube」など子どもがやりたい事、すなわちご褒美となる行動の絵カードを貼ってください。

子どもは、YouTube見たさにさっさと着替えてくれます。ただし朝の場合、ずっとYouTubeを見続けられても困るので、朝のお支度のご褒美は一番最後に貼ってください。

ちょっとしたことにはちょっとしたご褒美。とても嫌がることには、強力なご褒美が必要です。例えば、予防接種ならご褒美はマクドナルドのハンバーガーとかですよ ^-^;

ここで説明した1、2、3のステップを踏んでいくと、重度の自閉症の子どもでも、周りの人の求めに応える力がついていきます

生かすも殺すもあなた次第

もしも見せる事をしないで、自閉症の子どもに言葉で順番を理解させたり、待たせたり、嫌なことをさせたりするのは、至難の業です。

見通しが立つように」は9文字の表現ですが、それを紐解くとこの記事だけで3,700文字ぐらいの深い意味があったんですね。

そろそろ、まとめです。

スケジュール表を使っていると子どものパニックや癇癪は自然に無くなっていきます。実際にやっているお母さんたちは、なぜパニックが無くなったのかをきっと説明できないと思います。でも、それでいいじゃないですか!

子どもにスケジュール表を渡すだけでは、子どもはスケジュール表を使いません。親子で一緒に使いましょう。子どもは直ぐに慣れていきます。

待たせるために何かさせたり、嫌な事の後にご褒美をあげるのはお母さんや支援者の役割です。それをしないと、子どもはスケジュール表を拒否するようになりますよ。

スケジュール表を生かすも殺すもあなた次第なのです。

自閉症の子どもに、実際にスケジュール表を使い出したご家庭の様子を読んでみてください。

参考文献

[1] 「DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引」、American Psychiatric Association 著、日本精神神経学会監修、医学書院刊行、2014年10月発行。

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