自閉症の子どもに何かのスキルを教えた時に、人が変わるとできないのはなぜ?(その1:般化)

自閉症の子どもに何かのスキルを教えた時に、人が変わるとできないのはなぜ?(その1:般化)

今回は般化(はんか)のお話です。

自閉症の子どもに何かのスキルを教えるとしましょう。話を単純にするために、自閉症の子どもと教える人が向き合って机に座って教えているとします。例えば、マッチング(絵カード合わせ)としましょうか。

教える人の教え方には、上手・下手があります。Aさんが教えている時は、子どもはうまくできる。Bさんが教えている時は、うまくできない。そんなことはよくあります。当然、Aさんの方が教え方が上手だと思われがちです。でもそうとは限りません。

自閉症の子どもは、なんとか手がかりを探して、課題をこなそうと(正解しようと)します。Aさんが教えている時に、子どもはできているのは、Aさんが無意識のうちにヒントを出していることが多いです(暗黙のプロンプトと言います)。ヒントには、正解の方にAさんの頭が傾いている、やってほしいことの方向にAさんの視線が向いている、正解は子どもの右側にあることが多い、などです。

子どもがうまくできた(正解できた)のは、正しく理解している時もありますし、子どもがAさんの視線を頼りにやっていただけ、かもしれません。でも、Aさんはどうして子どもが正解したかまでは、気づいていません。そんな時、Aさんは勘違いします「私が教えているときは、良くできる。私は教え方が上手だ!」。 Bさんが教えているときは、無意識のヒントが出ないので、子どもはなかなか成功しない。それだけのことです。

上手な教え方はこうです。Cさんとしましょう。Cさんは、意識的にヒントを出しながら子どもに教えます。そして、Cさんはそのヒントを少なくしながら、ヒントがなくても正しくできるように、練習させます。

Cさんのような人は滅多にいません。また、努力をしてもCさんのようにはなれません。一番手っ取り早いのは、何人か違う人が、子どもを教えることです。教える人によって癖が違うので、子どもにとってヒントが役に立たないので、いい感じかな・・・・。

子どもがあるスキルを身につけた時に、そのスキルを同じようなシーンでも使えることを般化(はんか)と言います。般化には「人の般化」と「場所の般化」の2つのパターンがあります。今回の例は、「人の般化」ですね。

自閉症の子どもは、般化する力が弱いのです。だから私たちは、子どもに教えた同じスキルでも、意識的に、人を変えて同じことを教える、場所を変えて同じことを教える、そんな支援が大切です。

また、子どもに教えている時は、子どもの視線に注意してくださいね。子どもは何か他のヒントを探していないかと! 最初はあなたの癖がヒントになっていても構わないのです。子どもが正解するようになったら、あなたの癖のヒントが出ないようにしていきましょう。

 

視覚支援で子どもは成長します!
古林紀哉

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