感覚統合的なアプローチによる自閉症支援は刺激の遮断に行き着いた?

感覚統合的なアプローチによる自閉症支援は刺激の遮断に行き着いた?

初めに断っておきます。今回の内容は、感覚統合の専門家や、特定の療育手法の専門家の方々に対しては、失礼な内容かもしれません。私の個人的な見解が多々ありますので、ご容赦ください。

自閉症の子どもは、感覚の問題を抱えています。そして、感覚系の問題と、運動系の問題に大別できます。

  • 感覚過敏、感覚鈍麻、感覚探求、感覚回避
  • 運動が苦手、身体イメージが乏しい

それらの問題に着目した自閉症の療育手法の代表格に感覚統合療法があります。

感覚統合療法とは、米国の作業療法士ユアーズが提唱した「子どもの神経学的プロセスに応じて、感覚刺激を与え、適応反応を引き出す」療法です。訓練では、ブランコ、吊り下げ遊具、スクーターボード等を使い、子どもの脳の前庭に刺激を与えます。

他にも、ムーブメント療法、リトミック療法、音楽療法などがあり、私はそれらを含めて感覚統合系のアプローチと呼んでいます。自閉症療育の三大手法の一つです。

自閉症の三大手法

  • ABA(応用行動分析)
  • スケジュールと視覚支援
  • 感覚統合

2000年前後、感覚統合療法、ムーブメント療法、リトミック療法、音楽療法は人気がありました。理論がしっかりしているし、器具を使うことで目に見えるし、やることが具体的だし、指導する保育士さんにも難しくないし。何より、それをやっている時は子どもの笑顔が見えるというのが、人気の源だったように感じます。

ところが、子どもへの効果が測りにくいという欠点がありました。そもそも自閉症の子どもを育てるお母さんにとっては、生活スキルを育てたり、問題な行動を無くしたいのが一番の関心事です。感覚統合系のアプローチでは、それらがなかなか改善できなかったのです。

そうこうしているうちに、結果重視(エビデンス重視)の療法であるABA(応用行動分析)や、目に見えて子どもの生活の改善がわかるスケジュールと視覚支援の手法が主流になっていきました。感覚統合系のアプローチはだんだん下火になり、ブランコや吊り下げ遊具などが、学校の倉庫で埃をかぶるようになってしまいました。

自閉症の療育手法には、重なりがあります。思うに、感覚統合系で成果が出ていたのは、ABAや視覚支援と同じことをやっていた部分であって、感覚統合特有の部分では測れる効果が出なかったのだと、私は推測しています。

そして、みんなが気づいたことは

  • 感覚の問題は鍛えても改善が難しい
  • 周りの人は、本人の不快感に気がつかない

ということでした。

そして結論は一つです。

子どもから刺激を遮断しましょう

自閉症の子どもの支援 | 感覚統合のアプローチ - 刺激の遮断

音を遮断する、イヤーマフはその代表例です。私たちは気にならないかもしれませんが、私たちの周りには小さな雑音が溢れているのです。自閉症の子ども全てではありませんが、イヤーマフを使うことで落ち着く子どもがかなりいます。

音だけではありません。目から入る刺激もかなり強いのです。無造作に貼ってある壁の掲示物や、机の周りのものは、子どもにはかなりの刺激になっています(私たちはほとんど気がつきませんがね)。部屋の中は整理整頓をして、余計なものは置かないか、使ったらすぐに片付けるようにしましょう。それだけで、自閉症の子どもの荒れ具合は変わってきます。

自閉症や発達障害の子どもは、文字を読むのに困難があることが知られています。色下敷きで、コントラストを付けると読み易くなる場合もあります。

他にも刺激はあります。子どもの様子がおかしいなと感じたら、不快な刺激に晒されていないか気遣ってください。そして、その刺激を取り除いてあげてください。

そして最後に、自閉症の子どもは運動不足になりがちです。日頃から適度な運動をするように導いてくださいね。

子どもの成長と家族のゆとりのために!
古林紀哉

コメント

タイトルとURLをコピーしました