自閉症スペクトラムの療育手法で生き残ったものに共通した特徴

2015年7月に私が書いたあるレポートを読み返してみると、面白い結論が書かれていました。数ある自閉症の療育手法の中で、現在でも有効で主流となっている手法には、3つの共通する特徴があったと言うものです。

そのレポートは、私が野村綜合研究所を早期退職した2ヶ月後にまとめたものです。起業する前だったし、このサイト「ザ・プロンプト」もまだありませんでしたので、個人サイトでそのレポートを配布していました。(今は配布していません。)

現在でも有効で主流となっている手法にみられる共通する重要概念は、

  1. 個々の能力は養える:「認知に関する基礎能力」、「家庭生活の自助スキル」、「地域生活の社会スキル」、は個々に療療育することでそ の力を養うことができる。裏を返すと、単独の問題の解消、特定の障害の治癒で全体がうまくいく療療育技法は未だ存在しない
  2. 視覚的支援が有効:指導する際に、絵カードや文字のように、自閉症児の目に見えるものを併用すると療療育効果が高い。裏を返すと、発語のある自閉症児にも有効。しゃべれるからと言って視覚的支援を怠ると、療療育効果が悪い
  3. 行動の強化が必要:個々のスキルを療療育する際に、ABA(応用行動分析) に基づいた技法は、効果が高い。裏を返すと、自然に生活しているだけ、あるいは自立的にやらせるだけでは、伸びない領領域がある

読み返すと言い回しは変だけどど、ポイントは抑えていたんだなと思いました。具体的な療育方法の名称は置いておいて ^-^;

2番目の視覚的支援と3番目の行動の強化は、もう自閉症支援のど真ん中の王道ですね。

今回は共通概念の1番目を振り返ってみます。「個々の能力は養える」と言う部分もそうですが、裏の意味の「単独の問題の解消、特定の障害の治癒で全体がうまくいく療療育技法は未だ存在しない」が重要だと思います。

そのために、自閉症スペクトラムの支援は難しい。そして、その難しさを理解している人が少ない。

私が最近使っている、1枚のスライドをみてください。

発達障害の子供や、自閉症スペクトラムの子どもには困り事が日常茶飯事のように発生します。ある困り事が発生したとしましょう。対象の方法は3つあります。ま、その3つしか無いように選択肢を作ったのですがね。

  1. 良い対処をする
  2. 対処しないいわゆる放置です。「お手上げ」かもしれませんね。
  3. 悪い対処をする。悪い対処だとは気づいていなくても、それしか対象方法を思いつかないので、その対処方法を使ってします。具体的には、叱ったり、取り上げたり、ですね。この対処方法は、そのうち虐待になっていきます

結論を言うと、良い対処法は存在しません。私たち親や未熟な支援者はすぐに効く対処法を求めます。でも良い対処法が存在しないので、「自閉症スペクトラムの支援は難しい。そして、その難しさを理解している人が少ない。」のです。

このスライドでは、日頃の支援が重要です、と言っています。その理由は:

  • 日頃から支援をしていれば、そもそも、困り事が発生することが少なくなる
  • 困り事が発生したときは、日頃の支援の延長として対処ができる。困り事が発生した時だけ支援をしても、その支援方法は効果を発揮できない。

困り事の対処だけを考えると、回り道です。でも、急がば回れ!

 

日頃の支援は、見せてあげること(視覚的支援)と、褒めてあげること(行動の強化)が基本です。

 

子どもの成長と家族のゆとりのために!
古林紀哉

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