今日も、前回前々回に続き
「年間行事表」を例に、
自閉症の子どもの支援で
重要な方程式を一つ解説します。
その前に、ちょっとおさらい ^-^
先週月曜日に、
三男の養護学校に行った時、
廊下に大きな「年間行事表」が掲示されているのを見て、
私は唖然としました。
木曜日に再び、三男の養護学校に行くと、、、
綺麗サッパリ「年間行事表」は無くなっていました。
元の廊下には、新たな掲示物もなし。
結局、その「年間行事表」がなくても
誰も困らないってことですね!
月曜日の私の指摘を
学校がちゃんと反映してくれていたので、
感謝感謝です!
さて、
その、問題な年間行事表です。
・10 x 40 cm の短冊に縦書きで生徒が行事を書いている。
・右側から左側へ向かって、短冊が並べてられている。
・短冊(行事)は、20個程度。
・幅は全長が8mぐらい。
その年間行事表には問題が3つあります。
(影響の大きい順に)
1)方向が右側から左側である
2)期間が年間で長すぎる
3)生徒の書いた下手な字である
今回、皆さんに覚えて欲しい方程式は
「スケジュール表は時々内容を変える」
です。
年間行事表は、
一度作ると内容が1年間変わりません。
だから、
年間行事表は掲示すべきものではありません。
問題は、内容の変わらないスケジュール表です。
人間の脳は、変化しないものを見続けると、
だんだんとそれを無視するようになります。
人間の脳は、変化するものを注目するように
最適化されているんですね。
例えば、自閉症の子どもに見せる
歯磨き箇所の手順書。
子どもは、歯磨き箇所を一つ一つ
確認しながら、その箇所の歯を磨きます。
ところが、数日経つと、
その手順書を見ないで、
正しい箇所の歯を磨くようになります。
そして、また数日経つと、
その手順書を見ないで、
箇所を飛ばして、歯磨きするようになります。
(まぁ、サボるんですね。)
歯磨きの手順書では、
時々、順番を変えておくと、
子どもは、サボらないで、
手順書を確認しながら、
正しい箇所の歯磨きをします。
内容の変わらないスケジュール表の弊害は
それだけじゃないんですよ!
脳は、内容の変わらないスケジュール表を無視するだけでなく、
変化のあるスケジュール表も無視し始めるのです。
自閉症の子どもに対する、
スケジュール表の効果の
全体が劣化して行くのです。
これまでの支援の苦労が台無しですよね >_<
また、療育の現場では俗に
「スケジュール表の賞味期限」
と呼ばれます。
同じ内容の
スケジュール表を頻繁に使っていると、
効果がなくなって行くのです。
スケジュール表では、内容を変えながら、
いつもフレッシュな支援をしましょう!
子どもの成長と家族のゆとりのために!
古林 紀哉
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