ABAでの、感覚の取り扱い。

自閉症ミニ講座

 

今回は、ABA(応用行動分析)の入門書で「自閉症児の感覚と運動機能」がどう扱われているか、拾っていきたいと思います。

「自閉症スペクトラムへのABA入門」
シーラ・リッチマン著、
井上雅彦 / 奥田健次監訳、
テーラー幸恵訳、
東京書籍、
2015年3月10日発行。

第1章の自閉症スペクトラムとは何か
では、

制限されたパターン化された行動には、様々な感覚刺激が関連していると考えられます。感覚刺激に対する異常な反応にはいろいろなものがあります。
自閉症の子どもは、
・感覚が過敏か、もしくは非常に鈍感。
・臭覚や味覚が過敏。
・おもちゃ人形を一列に並べる、物の配置や文字、数字にこだわりを示す、ライトをじっと見る、などの視覚的なこだわり行動。
・背景の音に惑わされてしまったり、特定の聴覚刺激に過敏であったり、無反応のことがある。

という、感覚系の特徴も記載されています。
ABA(応用行動分析)の主な適用場面は、
1)必須行動を学習させること、
2)不適切行動への対応
ですね。
行動の学習のパートでは、「自閉症児の感覚と運動機能」に関しては全く出てきませんね。

不適切行動への対応のパートには、それが登場します。
不適切行動を起こす要因
1.環境
2.医学的 / 生理的要因
3.課題の変化
4.自己刺激行動
5.注意を求める行動
6.逃避 / 回避

 

その中では、
「行為の繰り返しによって、感覚刺激が脳に入力されるため、自己刺激行動は減らすのが最も難しい行動です。」
「自己刺激行動や医学的な問題が関与する行動が、次第に注意を求める行動へと発展していくこともあります。」
私が、予測していたとうりですね。

 

感覚問題に原因がありそうなのはわかっているが、それを行動問題に置き換えていって、行動問題として対処しています。それがABA(応用行動分析)の得意技ですね。行動問題なら、ABAに任せておけと(^-^)。

ABAでの対処法を率直に言うとですねえ、
・問題行動を強化しない。
・他の行動をさせて、問題行動の時間を作らない。
(ちょっと極端ですが!)
原因であったはずの「感覚の問題」は、どこへ行ってしまったんだろう? (^-^;)
不適切行動への対応は、ABAが強力なんだけど、
なかなかそれが支援者に使いこなせないのも、なんとなくわかる気がします。
お子様の成長と
ご家族のゆとりのために!

古林 紀哉

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