よく自閉症の療育本では、
「自閉症のお子さんは、間接的な言葉が苦手です。直接的な具体的な内容で話しましょう。」
と書かれています。
今回はその話題。
ジョブコーチの手法にシステマティック・インストラクションがあります。
障害のある人に仕事を教える時に、ジョブコーチが行う、指示の階層です。
介入度の低い方から書くと、次のようになります。
大きくは4段階で、それぞれに2つに細分化されるので、全部で8段階あります。
1)言語指示
・間接言語指示
・直接言語指示
2)ジェスチャー
・指差し
・動作を見せる
3)見本の提示
・先行モデリング
・同時モデリング
4)手添え
・シャドーイング
・直接手添え
これを見ると、間接言語指示が一番介入度が低くて、その次に介入度が高くなるのが直接言語指示です。
具体的には、
間接言語指示:
「次は何ですか?」
「それを取ってください。」
直接言語指示:
「蛇口を開けてください」
「ハサミを持ってください」
言語指示を強力にするためには、具体的に話すということで、よく考えられていますよね。
さて、
私は、自閉症のお子さんを指導することと、コンピューターにプログラムすることを良く、重ねて考えています。
電卓とコンピュータの大きな違いは3つ。
電卓からコンピュータへの大きな進歩と言っていいと思います。
1)今やったことの、次を決めることができる。
2)条件によって、やる/やらない、を決めることができる。
3)変数が使える。
3番目の「変数が使える」というのは、間接指定ができるということです。
さて、自閉症のお子さんの特性
1)「終わったら、次はこれ」がとても苦手。
2)「こういう時は、これやっちゃダメ」がとても苦手。
3)「ちょっと」「それ」などの曖昧が苦手。
しかし、
1も2も、文字やイラストで見せてあげると、自閉症のお子さんでも、きっちり出来るんですよ。
3も具体的に言ってあげると、ちゃんとできる。
自閉症のお子さんとコミュケーションする時は、具体的に示してあげましょう。
あれ、それ、これ、ちょっと、はとても苦手です。
お子様の成長と
ご家族のゆとりのために!
古林 紀哉
コメント