自閉症のお子さんが仕事に就いた時、清掃作業は結構重要な仕事の一つです。
仕事の求人でも、その業務内容に清掃作業が含まれることは多いようです。
おそらく、多くの特別支援学校の高等部では、清掃作業の実習が日課だと思います。
私が今まで見てきた事例では、学校内の実習で皆さんきっちりと清掃ができるようになっています。指導者の人が、「手抜きで困った」とか「やり残しがある」とかの記載を見たことがありません。
実際に仕事についてからの事例でも、
「ほうきとちりとりの使い方は上手」「ゴミにも着目」「細かい汚れにも着目でき、浴室・トイレもピカピカ」といった記載ばかりです。
これらは、
・学校内の実習
・開店前の店舗内
・店舗のバックヤード
・寮生が不在中の独身寮
の話です。
これが、
・屋外(店舗付近の歩道)
・お客さんのいる店内
になると話が違ってきます。
多くの店長さんが、「危なくって、一人でやらせるわけにはいかない」と言っているそうです。
なぜか?
ゴミ集めに集中しすぎて、通行人や店内のお客さんにぶつかりそうになるんだそうです。
通行している人が、至近距離50cmぐらいになるまで、黙々と仕事に取り組んでいます。
そして、ぶつかる直前になると、
本人は、ぶつかるのを避け、スッと避けることは出来ている。
店長さんはそれを見て
「危なくって、一人でやらせるわけにはいかない」
となるんだそうです。
多くの自閉症の人には、感覚問題があり、視野が狭かったり、直前まで気がつかない(ように振る舞う)といったことは、よく知られていることですね。
そういえば、先月に見学に行った知的障害者を雇用している会社でも、清掃作業は、店舗開店前の午前中でした。
清掃には、ゴミや汚れへの着目だけでなく、周りの人に気配りをする力も必要なんですね。
お子様の成長と
ご家族のゆとりのために!
古林 紀哉
コメント