自閉症のお子さんの家庭療育ミニ講座
ABAの基本となっている、三項随伴性について、進めます。
ABAは自閉症のお子さんの認知や行動の能力を高める強力な手法です。
【先行事象 】Antecedent
【行動】Behaior
【後続事象】Consequence
の3つで考える。
これが3項随伴性です。
それぞれの頭文字をとって、ABCフレームと言うこともあります。
前回までに先行事象(A)を説明したので、
今回は、(B)を飛ばして、
後続事象(C)を説明します。
行動の直後に良いことがあると、その行動の頻度は増していきます。
実は、このことはABA(応用行動分析)が発達する前から知られていました。
【効果の法則】と呼ばれました。
では「良いこと」とは何でしょうか?
褒められること?
好きなこと?
ミニカー?
食べ物?
ここで発想の転換がありました!
コペルニクス的展開かな(*^o^*)
行動の直後に起こると、その行動の頻度が増すようなものを「良いこと」と定義したのです。
良いかどうかは、行動の頻度が変化するかどうかで判断したのです。
「良いこと」と呼んでしまうと誤解が生まれるので、それを【強化子】と呼ぶことになりました。
中には、行動の頻度を減らすものもあるのですが、それも【強化子】です。
このような、【強化子】の考え方(逆転の発想)により客観性が生まれ、ABAは学問として急速に発達したのです。
でも、強化子に2通りあると紛らわしいので、日本の自閉症療育の世界では、
行動の直後に起こると、その行動の頻度が増すようなものを【好子】(こうし)。
その行動の頻度が減るようなものを【嫌子】(けんし)。
とそれぞれ呼びます。
好子の代表例が、食べ物、褒めること、タッチしてあげること、などです。
嫌子の代表例が、体罰、叱ること、などです。
ABAによる自閉症療育では、好子を使って、子供のスキルを養っていくんですよ。
それだけでなく、ABAで自閉症のお子さんの問題行動を抑制することもできます。
でも嫌子はほとんど使わず、他のテクニックを使います。
(バリエーションは8種類ほどあるので、別の機会に)
今日は、好子が子供のスキルを養う重要な働きをすることを覚えてください。
(「よしこ」とは読みませんよ。)
お子様の成長と
ご家族のゆとりのために!
古林 紀哉
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