上手くいっていない状況とその改善

ここでは、行動支援ボードを教えている時に、お母さんや支援者の期待どおりにならない典型的な状況を紹介します。上手くいっていないときは、お母さんや支援者は標準ではない方法で、改善をやろうとします。標準ではない方法は、失敗の近道になります。

上手くいっていないときは、このページを読んで、状況を改善してください。

子どもがカードで遊ぶ

行動支援ボードと絵カードを初めて使う時、子どもは直ぐに絵カードで遊び始めます。スケジュール表でも絵カードがたくさん揃っている状況で始める時、子どもは直ぐに絵カードで遊び始めます。

子どもが絵カード遊ぶことは、良いスタートです。

指導を始めた時、子どもは未だ順番が見えるということを理解していません。始める時に重要なことは、子どもが行動支援ボードと絵カードに慣れること、すなわち行動支援ボードと絵カードと仲良くなることです。

お母さんや支援者は、子どもが絵カードで遊ぶことを邪魔しないでください。

手順どおりに行動支援ボードを教えていくと、子どもはボード上の絵カードでは遊ばなくなります。子どもは、「見えているものは順番だ!」ということ理解し、「行動支援ボードの通りにやっていれば、上手くいく!」ということを体感していきます。そのようになると、子どもは自分で絵カードで遊んで、順番を乱すことは無くなります。

子どもがボードを見ない

行動支援ボードと絵カードを教え始めている頃、お母さんや支援者は、「子どもがボードを見ない」と感じることがあります。子どもが行動支援ボードの内容が理解できない時、子どもは「行動支援ボードを見ない」という素ぶりを見せます。

子どもが行動支援ボードの内容を理解できない状況には、2つの原因があります。一つ目の原因は、ボード上の絵カードの配置が提示物のレイアウト規則から外れていることです。レイアウト規則から外れていると、子どもは行動支援ボードでまず注目すべき箇所がわかりません。そして、ボードの内容の全体が理解できなくなります。お母さんや支援者は、提示物のレイアウト規則をもう一度確認してください。

二つ目の原因は、子どもの理解能力を超えて行動支援ボードが使われていることです。俗にいう、「内容がてんこ盛り」や「早く進みすぎ」なのです。行動支援ボードの教え方のステップを踏んでください。お母さんや支援者は、やさしい内容も省略しないで、教えてください。

子どもがボードを見て不機嫌になる

行動支援ボードを使うことが上手くいき始めると、時に子どもが行動支援ボードを見て不機嫌になることがあります。この頃、お母さんや支援者は行動支援ボードの効き目を実感しているはずです。行動支援ボードが、「子どもを操縦するための、リモコン」になっているんですね。行動支援ボードがお母さんや支援者の秘密兵器になっているんです。実際そうです!

子どもがボードを見て不機嫌になる時、行動支援ボードの内容を見てください。お母さんが子どもにやらせたい事ばっかりになってませんか? 子どもの好きなことが、全然入ってなくありませんか?

行動支援ボードの内容には、子どもの好きな活動も十分に入れてください。お母さんがやらせたい行動や、子どもの嫌いな行動が入っている時は、最後のご褒美を見せてあげて、ちゃんとご褒美を上げることを徹底してください。

子どもがボードを見て暴れる

子どもが行動支援ボードを見て暴れたら危険信号です。家中の行動支援ボード(及び、子どもに指示しているスケジュール表の類)の全てを取り外して、子どもから見えないようにしてください。1週間は行動支援ボードやスケジュール表による支援を休止してください。

自閉症の子どもは、行動支援ボードに示された内容を忠実にこなします。その内容が嫌なことでもその行動をします。すなわち、嫌な行動をさせられる時には、かなりの負担が掛かっているんですね。子どもに負担が溜まって行った時、子どもが行動支援ボードから逃れる方法は、全体を拒否するか、暴れるしかないのです。

子どもが行動支援ボードを見て暴れたら、その原因は、お母さんや支援者が子どもに酷なことをさせすぎた事です。

1週間は行動支援ボードやスケジュール表による支援を休止してください。その間に、お母さんや支援者は、子どもの好きな行動、いきたい場所、好きなおもちゃ、好きな食べ物の絵カードを増やしてください。1週間後に、子どもの好きな内容でいっぱいの行動支援ボードで、支援を再開してください。

子どもが内容を飛ばす

子どもが行動支援ボードに慣れてから、かつ、行動支援ボードの内容がいつも同じであったら、子どもは行動支援ボードの内容を飛ばし始めます。俗にいう、ズルですね。

行動支援ボードを見ないで行動する癖が着いてしまうと、他の内容の行動支援ボードも見なくなっていきます。それが続くと、子どもの問題な行動が増えていきます。問題な行動を減らす重要な第一歩は、日頃からの行動支援ボードを使うことです。

行動支援ボードに並べる絵カードの順番は時々変えてください。

いつも、行動支援ボードを見るて行動するように指導してください。行動支援ボードを見ないで行動すると、順番が狂うということを子どもに体感させてください。

子どもが内容と違うことをする

行動支援ボードを日常的に使っているのに、子どもが行動支援ボードの内容と一部違ったことをすることはまずありません。例えば、「テレビ」の絵カードが貼ってあるのに、「ミニカー」で遊ぶことはまずありません。もしも、子どもがその時の絵カードと違う内容を始めるとしたら、子どもは先に絵カードを貼り替えるでしょう。例えば、「テレビ」の絵カードを「ミニカー」の絵カードに張り替えてから、ミニカーで遊び始めます。

自閉症の子どもは、行動支援ボードで示された内容を見ながら、自分で他の行動をする力が乏しいのです。それが出来たらとしたら、お子さんは自閉傾向ではないことになります。もしそれが出来たら、私までご連絡ください。行動支援ボードの内容を根本的に見直す必要がありますので。

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