第2章 行動支援ボード(スケジュール表)の教え方

ここでは、行動支援ボードを使って、お母さんが自閉症の子こどもの生活を劇的に改善する方法を解説します。行動支援ボードは、新しいタイプのスケジュール表です。これまでの言い方をすれば、「自閉症の子どもへのスケジュー表の教え方」となるでしょう。

行動支援ボードの活用は、見通しをつけるに留まりません。規則正しい日常生活の支援が簡単になります。行動支援ボードを使っていると、お母さんを悩ませる子どものパニックや癇癪は激減します。ご家庭のお母さんや、専門知識のない支援者向けに解説しています。安心してゆっくりと読み進めてください。

自閉症 スケジュール お支度 autism schedule board

準備1: 購入か手作りか

ボード自体の出来の良さや悪さで、自閉症の子どもへの支援効果にはかなりの差が出てきます。より良い効果を引き出すためには、周りに使っている人が多いもの、情報の多いものが有利です。

ボードと絵カードの手作りにはかなりの時間がかかります。また、自閉症の知識と工作の腕前の両方を持っていないと、行動支援がうまくいかなった時に、教え方が悪いのかボードが悪いのかが区別できません。特に自閉症の子どもは手先が不器用なので、簡単に扱える絵カードの構造が必須です。

当サイトでは、コバリテ視覚支援スタートキットを使うことを強くお勧めします。

準備2: 行動支援ボードの設置場所

家庭内で行動支援ボードを設置する場所は、食卓部屋かリビングの見やすい壁です。

お子さんとお母さんからよく見える場所を探してください。今まで家族用のカレンダーを貼ってあった場所が、目安です。冷蔵庫の扉は、設置場所には不適切です。

行動支援ボードは子ども自身に使わせるので、子どもの背の高さに合わせてください。

行動支援ボードの教え方と理解目標

教えるときは、必ず朝の支度から初めてください。成人の自閉症者であっても、朝の支度から教え始めることが重要です。各フェーズには理解目標があります。簡単に見えるフェーズでも省略してしまうと、すぐに失敗します。

教え方 理解目標
フェーズ Ⅰ 朝の支度
前編
後編
初めに注目する場所
絵カードが意味する行動
順番は見ることができる
フェーズ Ⅱ 午後の予定
前編
後編
物事は見た順番どうりに進む
フェーズ Ⅲ カレンダー
前編
後編
順番は自分で計画・変更して良い

それぞれのフェーズは、前編と後編に分けて説明しています。前編は教え方です。後編は、お母さんや支援者の支援量を減らす方法、すなわち楽になる方法を解説しています。

典型的な失敗例

順番に教えていれば、上手くいかないことはまずありません。ここでは、お母さんや支援者がやりがちな典型的な失敗例を紹介します。

【支援者がやりがちな不手際】

  • 最初に子どもがボードや絵カードで遊び始めたので、それをやめさせた。
  • いきなり、てんこ盛りの内容から始めた。
  • 上手くいかなかったので、もう一度子どもにやらせた。
  • 子どもが行動したのに、支援者はほったらかし。
  • 子どもにやらせることが、いつも同じ内容。
  • 行動支援ボード上に貼った絵カードの行動をやらせなかった。(支援者が約束を破った)
  • 必要な絵カードが足らない。
  • 支援者本位で、子どもの楽しみがない。

【支援者がやりがちな不手際】の解説を読む

また、子どもがこんな状態で困っている時も参考にしてください。

【上手く行っていない状況】

  • 子どもがカードで遊ぶ
  • 子どもがボードを見ない
  • 子どもがボードを見て不機嫌になる
  • 子どもがボードを見て暴れる
  • 子どもが内容を飛ばす
  • 子どもが内容と違うことをする

【上手く行っていない状況】の解説を読む