言葉を獲得していない自閉症のお子さんの療育

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言葉を獲得していない自閉症のお子さんの療育は大変なことです。

一昔前なら、喋れない自閉症のお子さんの養育は諦めるご家庭がほとんどだったと思います。
現在なら、喋れなくても生活スキルを身につけさせることができます。

これも、自閉症療育技術が発達した恩恵ですね。

そのおかげで?療育技術そのものは、喋れない子さんと喋れないお子さんとで、さほど変わりません。
しかし、その療育技術を適用するための指導者や親の準備には、喋れるお子さん向けと、喋れないお子さん向けとで、雲泥の差があるのです。書籍やセミナーでは、その差が隠れてしまっています。

療育の準備にかかる手間を正しく理解しないと、お子さんの療育は進みません。

私は、現在有効とされている自閉症療育手法の整理を2015年7月に行いました。
そこで得た重要概念は以下の3つでした。

1)個々の能力は養える
2)視覚的支援が有効
3)行動の強化が必要

それぞれに裏の意味があり、例えば1の裏の意味は、
「単独の問題解消や特定の障害の治癒で、自閉症が治るような療育技法は未だに存在していない」
ということです。

でも、個々の生活スキルは一つ一つ身につけされることが可能なのです。

では、その一つ一つは何個あるのでしょうか?

おそらく、500から1,000は降らないと思います。

2つ目の重要概念が「視覚的支援が有効」です。
この裏の意味は「喋れる喋れないに関わらず、視覚的支援を怠ると療育効果が悪い」ということです。

さあ大変ですよ!

喋れるお子さん向けの準備と、喋れないお子さん向けの準備がまったく異なるものとなるのです。

喋れるお子さん向けは、「言葉の指示が効く」ので元々有利なのですが、
「文字」という視覚的支援が使えるので、そのコストは高くありません。
喋れないお子さん向けの視覚支援には、イラストが必要です。
イラストの準備はコストがかかります。
ここでコストと言っているのは、単にモノの代金だけではありません。
イラストを使った絵カードを手作りしてる時間のコストが、かなり大きいのです。

生活スキルの一つ一つの個数を考えると、
大変さは1000倍に増幅されるのです。

書籍やセミナーでは、
・絵カードを使いましょう
・スケジュールを提示しましょう
とさらっと書かれていますが、
実はとても大変。

準備しないと療育は始まりません。

私たちは、
・準備コストを下げるために、
1)他人が作ったものを再利用する。
2)市販品を購入する。
・自分で作ったものは、他の家庭でも再利用可能な術を考える

ことが必要だと思います。

お子様の成長と
ご家族のゆとりのために!

古林 紀哉