自閉症入門書での感覚に関する解説

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家庭療育ミニ講座

私は、自閉症のお子さんの感覚に関する特性が、自閉症療育の界隈ではどの程度の重要性を持って扱われているのか、確認してみたくなりました。

そのために、重要な入門書を最初から見ていこうと思います。

「じょうずなつきあい方がわかる自閉症の本」
佐々木正美監修、
主婦の友社、
2009年3月31日発行。

多くのご家庭でも持っている一冊ですね!
あなたの周りにこういう子はいませんか?

・あなたが言った言葉をオウム返しにする

・頭をなでたらすごくいやがって泣きわめくのに、ケガをしても痛がらない

・目の前で手をひらひらさせて、じっとそれを見つめている

・声をかけられても返事をしない、こちらを見てくれない

・あなたが本気で怒っているのに、知らん顔をしている

この記載は、第1章に入る前のプロローグに書かれています。
2番目と3番目は、明らかに感覚の問題に関するとこです。
ふと気づきませんか?

私たちが知っている、あるいは習った「自閉症の3大特徴」が最初の3つに来ていないことに!

という疑問を持ちながら、本を先に進めてみましょう。

第1章 自閉症ってどんな障害なの?

基本的な特性(1)
人とかかわりを持つことが苦手です

基本的な特性(2)
言葉の発達に遅れや偏りがあります

基本的な特性(3)
同じ動きをしたり、特定の物にこだわります

いろいろな特性(1)
人の気持ちを読むのが不得意です

いろいろな特性(2)
あいまいな言葉がよくわかりません

いろいろな特性(3)
突然の変化にはとまどいます

いろいろな特性(4)
急にパニックにおちいることがあります

いろいろな特性(5)
目や耳、肌などの感覚がアンバランスです

いろいろな特性(6)
すばらしい能力を持っています

という内容になっています。
よく知っている「自閉症の3大特徴」が、基本的な特性(1)(2)(3)と来ているので、ひとまず安心。

それにしても、明らさまに感覚問題を言っているのは、
「いろいろな特性(5) 目や耳、肌などの感覚がアンバランスです」
だけのようです。

それでも、注意深く読むと、
「基本的な特性(3) 同じ動きをしたり、特定の物にこだわります」
は、常同行動として記載されてますが、その行動は「感覚遊び」や「自己刺激行動」が主です。
実は感覚の問題!

もっと、注意深く読むと、
「いろいろな特性(4) 急にパニックにおちいることがあります」
は、パニックの内容が、「かんしゃく」や「自傷行為」なので、これも感覚の問題と言えそうです。
本当は、子供の感覚の問題の方を私たちは先に気づいていいるのに、行動の問題として捉えているようです。
(本を批判する意図はありません。)
この本では、感覚問題はそれ以降はほとんど登場しません。
しかしですね、注意深く読むと、感覚の特性を思わせる記述がところどこに登場します。
(著者は、実際に多くのお子さんと接してきたから、肌感覚でお子さんの特徴が自然に記載に入っているのだと思います。素晴らしい!)
ある先生がこう言っていました:
「お子さんの行動の問題は、親や支援者が困る方向に発生するので、目立つ。
一方、お子さんの感覚の問題は、直接は親や支援者は困らないので、見過ごされる。」

確かに!

次回は、この本を先に読み進め、隠れている感覚の問題を見つけてみようと思います。


お子様の成長と
ご家族のゆとりのために!

古林 紀哉

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